東京五輪の正GK候補は、『地元』での敗戦に悔しさを隠せなかった。慣れ親しんだエディオンスタジアム広島のピッチでフル出場したGK大迫敬介は、前半のピンチで好セーブを見せたものの、後半に2失点。U-22日本代表が国内で初めて臨んだ試合で結果を出せず、試合後は反省点ばかりが口を突いた。

上写真=地元の広島での試合を勝利で飾れなかった大迫。さらなる成長を誓った(写真◎西田泰輔)

■2019年11月17日 キリンチャレンジカップ2019
 U-22日本代表 0-2 U-22コロンビア代表
  得点者:(日)なし
      (コ)L・サンドバル、J・ラミレス

「自分の成長に結びつけたい」

 取材エリアに姿を見せた大迫は開口一番、「負けてしまったことは、すごく悔しいです。これだけ見に来てくれたお客さんに、勝つところを見せたかった。内容も、戦う姿勢などをもっと見せたかったです」と振り返った。0-0で折り返した後半立ち上がりの47分に先制されると、59分にも失点。ホームでの完封負けに厳しい表情を浮かべた。

 前半のピンチは好反応で防いでいた。40分、ゴール前で日本のクリアボールが味方選手に当たり、不意にゴール方向へ。「ボールのところは(選手の姿が)かぶって見えていなかった」という大迫だが、「体がうまく反応してくれた」と振り返る瞬時のバックステップから右手ではじき出し、直後に左ポストに激突しながらもCKに逃れた。

 一方で47分の1失点目は、エリア内からの相手のシュートに鋭く反応したものの、止め切れずに後方にこぼれたボールがラインを割った。「相手がフリーだったので、駆け引きしながら我慢して対応できたまではよかったですけど…。あれを止めてこそGK。ああいうところを防いでいけるようになりたい」と語り、守備全体の出来についても「後半、コロンビアは人数をかけて崩しに来た。うまく対応できればよかったけど、突破されるシーンが多くなってきて、決定的なシーンを作られてしまったのは課題」と指摘した。

 森保一監督は試合後に大迫について、A代表を見据えて成長してほしいとの期待を寄せた。それを伝え聞いた大迫は「決定的なところで決められているようでは、まだまだ。僕の目指すところは、そんなところじゃない」ときっぱり。さらに「今日の試合を自分の糧にしなければいけない。東京五輪まで時間は短いですが、こういう相手と、こういう雰囲気で試合ができたことは間違いなく、これからの自分の力になる。悔しい思いを自分の成長に結びつけたい」と決意を新たにしていた。

取材◎石倉利英 写真◎西田泰輔

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