前半から日本がゴールラッシュを見せる。22分、右サイドのMF伊東純也のクロスにMF南野拓実が頭で合わせて均衡を破ると、29分にはCKからDF吉田麻也が追加点を奪う。さらに33分にはDF長友佑都、40分にはFW永井謙佑が、それぞれ伊東のアシストでゴールネットを揺らし、前半を4点リードで折り返す。後半も攻勢をゆるめず、56分にはMF中島翔哉のCKからMF遠藤航のヘディングシュートが決まって5点目。さらに、82分には途中出場のFW鎌田大地もゴールを挙げ、モンゴルに6-0で快勝した。

上写真=右サイドハーフで先発フル出場した伊東(写真◎福地和男)

■2022FIFAワールドカップカタール・アジア2次予選兼AFCアジアカップ中国2023予選
 日本 6-0 モンゴル
 得点=(日)南野拓実、吉田麻也、長友佑都、永井謙佑、遠藤航、鎌田大地

「どこが相手でもやれる自信はある」

 ベルギーで成長する右サイドの『矢』が、幾度もモンゴル守備陣を切り裂いた。6月9日のエルサルバドル戦(○2-0)以来、約4カ月ぶりにMF伊東純也が右サイドハーフのスタメンに名を連ねると、前半だけで3アシスト。「トレーニングする時間は少なかったので、ほぼぶっつけ本番みたいな感じでしたけれど、うまく周りを見ることができていたし、声をかけて良い崩しを何回もできたかな」と、攻撃面で手応えをつかんだ。

 中でも、3アシストという結果に結び付けたクロスは、本人が「ほとんど思ったところに蹴れました」と振り返るように、高い精度を誇った。「クロス(の精度)は自分の強みでもあります。上げるだけじゃなくて、得点につなげなければいけない」。自らのストロングポイントを最大限に生かし、今予選初ホームでのサムライブルーに勝利をもたらした。

 ただ、「満足したら終わり」と、伊東は勝って兜の緒を締める。「欲を言うなら2、3回、もうちょっと良いところに上げられるシーンもあった」というクロスについては、「もっと精度を上げていきたい」と話す。また、「1対1の場面で2、3回(ボールを)取られた、というか、(相手に)当ててしまったので、全部抜き切るくらいになりたい」と、ドリブル精度の向上にも意欲を示す。

 そして、「正直、得点を取りたかった」と本音を漏らすように、『ゴール』という結果を残せなかったのは悔いが残る点だ。「ベルギーでもアシストは多いけれど、まだ点を取れていない。もっと点に絡んでいければ、もっと怖い選手になれる」。伊東はさらなる成長を望んでいる。

「長い時間、試合に出たい思いはあったし、やはりベルギーでの評価によってスタメンで使ってもらえたと思います。自チームでも、こちら(代表)に来たときでも、常に良いパフォーマンスができるようにしなければな、と。(所属するヘンクでは)チャンピオンズリーグもあるし、強いチームとも戦っている。(アジアでも)どこが相手でもやれる自信はあるかなと思います」

 右サイドのスピードスターはそのように頼もしい言葉を残し、4日後(現地時間10月15日)のアウェー・タジキスタン戦に向かっていく。

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サッカーマガジン 2019年11月号


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