『2022FIFAワールドカップカタール・アジア2次予選兼AFCアジアカップ中国2023予選』のモンゴル戦(10月10日埼玉スタジアム)とタジキスタン戦(10月15日タジキスタン・ドゥシャンベ)に臨む日本代表は、モンゴル戦の試合前日練習を、会場となる埼玉スタジアムで行なった。

上写真=モンゴル戦の前日練習に臨む日本代表。ランニングでは柴崎が先頭を走る(写真◎サッカーマガジン)

「自分たちのサッカーというものはない」

『2022FIFAワールドカップカタール・アジア2次予選』の初戦となった9月のミャンマー戦(○2-0)から、23人の日本代表メンバーのうち変更は2人のみ。大迫勇也(ブレーメン=ドイツ)と鈴木武蔵(札幌)が外れ、鎌田大地(フランクフルト=ドイツ)と浅野拓磨(パルチザン=セルビア)が名を連ねた。いずれもFWの選手だ。特に、攻撃の軸となる大迫が負傷により招集外となったことは、サムライブルーにとって痛手である。モンゴル戦前のトピックとして、取材陣から様々な選手に『大迫不在』について質問が飛んだ。そんな中、日本の司令塔は静かに口を開いた。

「考えられるのは、(今後も)そういったことがあり得るということですよね。これが仮にワールドカップ(本大会)でもそういったことが十分に想定されるわけで。最後の23人のメンバーの中に重要な選手がいない可能性は十分にあり得ること。なので、そういう状況にあたふたしても仕方ないし、いる選手がしっかりと(存在感を)示すことが重要かなと思います。彼(大迫)がいるときのサッカーと同じものを求めることはナンセンスだと思うので、ちょっと準備期間は短いけれど、より良くしていくことが大事かなと。ある意味、即興性が必要だと思う。相手があってのサッカーなので、どういったことをするというよりは。自分たちのサッカーというものはないので、試合に入って、相手を見て(戦い方を)決めることが多くなると思います」(柴崎岳)

 柴崎から「即興性」という言葉が出たが、もちろんチームとしての規律やルールは存在するだろう。ただ、事前に戦術を事細かに決めることは難しいのかもしれない。対戦相手はモンゴル。ほとんどの選手が初めて戦う相手でもあるからだ。さらに、ホームでの初陣による緊張感も出てくるかもしれない。

「楽観視しているわけではないです。ホームでの初戦ということで、もちろん危機感もあります。モンゴルという相手、対戦したことがないという意味での未知の相手に対して、どういった形(試合)になるのか。そういう部分もあるし、『もちろん勝つだろう』という、みなさんの(勝利が)当たり前だというプレッシャーも感じるでしょう。これは公式戦なので、いろいろなプレッシャーがあるはずです。それでも、自分たちが勝つ、良いサッカーをする。それが、プロとしてもそうだし、日本代表としての価値を示せる唯一の方法だと思っています」(柴崎)

 4年前のロシア・ワールドカップ予選のホーム初戦は、同じ埼玉スタジアムで、格下と目されたシンガポールを相手に大苦戦。結果はスコアレスドローに終わった。最終的にはロシア・ワールドカップ本大会へ進んだものの、今予選において同じ過ちを繰り返すわけにはいかない。

「(試合の)入り方のマネージメントもそうですし、自分たちでコントロールできることをしっかりコントロールしていく。(前述の)相手を見て(戦い方を)決めていくことと同じくらい重要かなと思います」(柴崎)

 4年前を知る冷静沈着な背番号7は、虎視眈々とモンゴル戦の勝利を狙っている。

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サッカーマガジン 2019年11月号


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