上写真=7月31日以来のリーグ戦先発出場を果たした町田(写真◎J.LEAGUE)
■2019年8月23日 J1リーグ第24節
鹿島 2-2 G大阪
得点者:(鹿)セルジーニョ、伊藤翔 (G)アデミウソン、パトリック
東京五輪世代の大型CB「森保監督の前で勝ちたかった」
試合後、鹿島のDF町田浩樹は険しい表情を浮かべながら試合を振り返った。
「ホームで絶対に勝たなければいけない試合だったのに、似たようなロングボールから2失点してしまって、ディフェンダーとして悔しいです」
開幕戦から先発フル出場を続けてきた守備の要である犬飼智也が欠場し、リーグ戦では7月31日の浦和戦(△1-1)以来の出場となった。「紅白戦のサブ組で(一緒に)やったりもしていた」というブエノとセンターバックのコンビを組み、G大阪の強力攻撃陣を抑えていたが、町田の言葉通り2本のロングボールから2失点し、ホームでリーグ戦3連勝を飾ることはできなかった。
「流れの中ではあまり崩されていないですけれど、引き分けという結果は全く納得できるものではありません。セットプレーでもチャンスがありましたし、こういう拮抗した試合で勝たせられる選手にならなければと思いました」
2失点を喫したことに加え、町田に訪れた2度のチャンスを決めきれなかったことも、本人は悔やむ。前半と後半に1度ずつ、フリーキックからヘディングシュートを放ったが、ボールはクロスバーとポストに阻まれた。
「(ゴールに)入らなければ意味がない。(後半の)2本目は特に、ドンピシャリのボールが来たので。そこで決めるか、決められないかで、結果的に勝ち点3か、勝ち点1か違ってくる。それはすごく大きいので、しっかり練習して、次は決められるようにしたい。こういう拮抗した試合ほどセットプレーは重要になるので、自分は全然チームを勝たせられていないし、もっと突き詰めてやっていきたい」
この日は森保一・A代表兼U-22代表監督も視察に訪れていた。1997年生まれの東京五輪世代の町田にとっては、代表入りへ絶好のアピールの場でもあっただけに、「勝ってこそのアピールだと思う。森保監督の前で勝ちたかった。悔しいです」と、唇を噛んだ。
しかし、いつまでも引き分けの結果を引きずってはいられない。すぐにまた次の試合はやってくる。5日後の28日には、中国での広州恒大戦(AFCチャンピオンズリーグ準々決勝第1戦)が控えている。
「(広州恒大戦は)また別の大会なので、全員で切り替えてやらなければいけない。(鹿島は)4つの大会(AFCチャンピオンズリーグ・J1・天皇杯・ルヴァン杯)を並行して戦っているので、出場機会は絶対にまたあると思う。そこでしっかり勝ち切ることがアピールにつながると思うので、次は勝てるようにしたいです」
190センチの長身を備える鹿島生え抜きのセンターバックは、G大阪とのドローゲームで味わった悔しさを糧に、次戦での勝利を誓う。
取材◎小林康幸