初の決勝進出を狙う鳥栖U-18は、35分に横浜FMユースのブラウンノア賢信に先制点を奪われ、1点ビハインドで試合を折り返す。反撃に出たい後半は立ち上がりから攻勢を強め、42分に相良竜之介が右足でゴールネットを揺らして1-1の同点。さらに、63分には途中出場の秀島悠太が豪快なミドルシュートを決めて逆転。その後の横浜FMユースの攻撃をしのぎ切り、7月31日の決勝(18時・味の素フィールド西が丘)進出を決めた。

上写真=前半に失点するも、その後は好守を連発した鳥栖U-18のGK板橋(写真◎サッカーマガジン)

■2019年7月29日 第43回日本クラブユース選手権(U-18)大会 準決勝(40分ハーフ)
鳥栖U-18 2-1 横浜FMユース
得点者:(鳥)相良竜之介、秀島悠太 (横)ブラウンノア賢信

初の決勝進出と半年ぶりの代表復帰

 35分の失点シーンでは、自身のミスを認めた。ゴール前で横浜FMユースのFWブラウンノア賢信にボールが渡ると、鳥栖U-18のGK板橋洋青は一目散に飛び出し、シュートを防ごうと試みた。しかし、この判断が裏目に出てしまい、相手に先制点を献上した。

「失点の場面は、勢い任せに行ってしまいました。もともと練習では(シュートコースで)止まって対応できていたけれど、(西が丘の雰囲気にのまれて)硬い部分もあったので、止まれずに股下を抜かれてしまった」

 群馬ラウンドでは仁王立ちしてゴールに立ちはだかり、シュートストップやハイボールの処理などで抜群の安定感を見せていたものの、自身初となる西が丘の舞台では地に足がつかなかった。

 それでも、「逆に良かったのかもしれない」と振り返るように、守護神はこの失点で目を覚ました。前半終了間際には植田啓太の強烈なシュートを止めるなど、徐々に本来の安定感を取り戻していった。

 後半は鳥栖U-18の倍となる10本のシュートを横浜FMユースに浴び、何度もゴール前にクロスを上げられたが、「結構慣れてきたので、止まって対応ができるようになりました。大丈夫でした」と、ことごとく防いで逆転勝利を呼び込んだ。

「チームの目標はベスト4だったんですけれど、『ここまで来たら優勝しかない』となりました。クラブとしてもこの年代で優勝したことがないし、ここで優勝したら後輩にも刺激を与えられる。それに、(現在はトップチームで戦う)大起(松岡)や明さん(金明輝監督)も結果を見てくれていると思うし、応援してくださる方々に優勝という形を見せたい」と、守護神は『優勝』の二文字を見据えている。

 準決勝が行なわれたこの日、8月の『SBSカップ国際ユースサッカー』に参加するU-18日本代表メンバーが発表され、板橋も名を連ねた。今年2月のスペイン遠征以来、半年ぶりの世代別代表復帰となる。

「最近は代表に入れていなくて、悔しい思いがありました。でも、こういった大会で結果を残すことで、代表にも入れるのかなと。自分にできることをもっとアピールして、(代表メンバーに)選ばれるだけではなくて、そこでも名前を知られるくらい活躍したい。謙虚にやっていきます」

 大会初優勝と日本代表定着を狙う世代屈指のGKは、決勝でも再び西が丘のゴールに立ちはだかる。

取材◎小林康幸

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