前半からボールをつなぐ東京Vユースと、奪って速攻を仕掛ける名古屋U-18の攻防が続いた。スコアレスで試合を折り返すも、55分に新玉瑛琉が右足でゴールネットを揺らし、名古屋U-18が先制。さらに69分にはカウンターから倍井謙が左足でシュートを決め、追加点。その後の東京Vユースの反撃をしのぎ切った名古屋U-18が、2011年大会以来のベスト4入りを決めた。準決勝は鳥栖U-18対横浜FMユース、京都U-18対名古屋U-18の2試合に決定。7月29日に東京・味の素フィールド西が丘で行なわれる。

上写真=名古屋U-18の勝利を呼び込む先制ゴールを奪った新玉(写真◎サッカーマガジン)

■2019年7月27日 第43回日本クラブユース選手権(U-18)大会 準々決勝(40分ハーフ)
東京Vユース 0-2 名古屋U-18
得点者:(名)新玉瑛琉、倍井謙

左サイドバック1年目で躍動「のびのびやっている」

 名古屋U-18の左サイドバックを務める新玉瑛琉が、ラウンド16・浦和ユース戦(○2-0)に続き、またもチームを勝利に導くゴールを決めた。0-0で迎えた後半15分、榊原杏太のパスを受けて右足を振り抜き、ゴールネットを揺らした。

「チーム全員でつないだボールが僕のところに来たので、それを決めるだけでした。自分の得意な形で打てましたね。自分だけの得点ではなくて、全員の気持ちがこもったゴール。どの試合でも常に自分がチームを勝たせる気持ちでやっているので、今回も結果を出せてとてもうれしいです」と振り返る。

 一発勝負の決勝トーナメントに入ってから2試合連続で決勝ゴールと、勝負強さが際立っている。高円宮杯プレミアリーグWESTでも第10節を終えてチームトップタイの4得点を挙げており、その得点力が光る。ゴールを奪う能力の高さは、昨年まで攻撃的なポジションを担っていたことも影響しているだろう。チームを率いる古賀聡監督は、次のようにその活躍ぶりを絶賛する。

「今年はチームのバランスを考えて、自ら守備のポジションを志願してくれました。最初は黒子になりながらやってくれていたのですが、最近は元々持っているオフェンシブな力を発揮し始めています。(サイドバックとしても)だいぶプレーの幅が広がってきていますね」

 FWや中盤のポジションから左サイドバックへ転向したことについては、本人も「左サイドがやりやすくて、今は左サイドバックでのびのびやっています。自分はドリブルが得意なので、左サイドのほうが(ボールを)持ちやすいんです」と、手ごたえをつかんでいる。だが、名古屋U-18の8年ぶりとなるベスト4入りの立役者になっても、「ここ(ベスト4)で止まったら意味がない」と、満足している様子はない。

「ここからが本当の勝負。チームの強さを示すところだと思います。(準決勝・決勝も)名古屋らしいサッカーをして勝つだけです!」

 左サイドで新境地を開いた背番号6が、名古屋U-18を初の頂点へとけん引する。

取材◎小林康幸

関連記事

サッカーマガジン 2019年9月号


This article is a sponsored article by
''.