プリンスリーグ関東で戦う両者の一戦は、0-2で川崎F・U-18に軍配が上がった。前半は三菱養和SCユースに攻勢を強められ、10分には長身FW栗原イブラヒムジュニアのヘディングシュートでゴールを脅かされる。それでも、川崎F・U-18は無失点で試合を折り返すと、後半早々の39分に鈴木大登が決めて先制。さらに、62分は山内日向汰の2試合連続ゴールで追加点を奪い、今大会初勝利を挙げた。

上写真=川崎F・U-18のボランチを務める山内(写真◎サッカーマガジン)

■2019年7月22日 第43回日本クラブユース選手権(U-18)大会 グループステージ(35分ハーフ)
三菱養和SCユース 0-2 川崎F・U-18
得点者:(川)鈴木大登、山内日向汰

「自分は生かされている」

 川崎F・U-18のボランチの一角を務める山内日向汰が、勝利を決定づける貴重な追加点を挙げた。62分、FW鈴木大登のパスを受けると、相手をかわして左足でシュートを放ち、ゴールネットを揺らした。

「(鈴木)大登がちょっと適当に(パスを)出してきたんですけれど(笑)、それを自分は胸トラップして相手のいない方へ行って、うまくゴールに流し込めました。実は(シュートが)相手に当たっていたんですけれど、当たっていなかったら(ゴールに)入っていなかったかもしれません」と、苦笑いしながら得点シーンを振り返る。

 それでも、グループステージ第1戦・JFAアカデミー福島U-18戦(●2-3)に続き、2試合連続ゴールをスコア。前線への推進力と得点力を兼ね備えたMFだ。ただ、ボランチである以上、攻守両面でチームに貢献することを念頭に置きながらプレーしている。

「自分の長所は攻撃参加だと思っているので、まずは攻撃の部分を出していきたい思いが強いです。その中で、もちろん守備も欠かさずにやる。自分だけ活躍しても全然うれしくないので、チームとして勝てるように、守備面もしっかりやっていきたいです」

 チームとして、仲間とともに戦う意識を強く持つ。ボランチでコンビを組む“相棒”には尊敬の念が尽きない。

「自分はただ好き勝手プレーしている状況であって、最も重要なのは(戸水)利紀のポジション取りです。うまくバランスを取ってくれるので、自分が“チャンス”だと思ったら動けるし、自由にやれています。(攻撃参加をできるのも)そういったチームメイトのバランス取りだったり、リスク管理があってのことなので、自分は生かしてもらっている感じですね」

 小学3年生のときに、「あのときからレベルが違った」という久保建英(レアル・マドリード)とともに、川崎Fアカデミーの門を叩いた。迎えた高校生活、最後の夏。自身の成長を後押ししてくれたクラブへの感謝の思いがあふれる。

「小学3年生からフロンターレでやっているので、結果を残して、育ててくれたクラブに恩返しをしたい。あと、高卒では難しいかもしれないけれど、大卒でもプロになるために、一つひとつの練習や試合を大切にしていきたい。今、フロンターレアカデミー出身の偉大な選手たちが、日本代表であったり、トップチームであったり、Jリーグの舞台で活躍しているので、自分もそういう選手になって、後輩たちにうまくバトンを渡せるように頑張ります」

 幼少期から川崎Fのエンブレムを胸に戦ってきた山内は、大会初優勝と自身のさらなる成長を目指す。

取材◎小林康幸

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