ラウンド16で実現したアジアのライバル・韓国との“日韓戦”。日本は前半から試合を支配し多くのチャンスを作るも、最後までゴールネットを揺らせず敗れた。チームを最前線でけん引してきたストライカーは試合後、涙をこらえきれなかった。

上写真=前線で体を張り、攻撃の基点となった宮代(写真◎Getty Images)

■2019年6月4日 U-20ワールドカップ・ラウンド16
日本 0-1 韓国
得点者:(韓)オ・セフン

「決めていれば」。悔いが残る一戦に

 試合後、メインスタンドへ挨拶に向かう13番の目は、涙であふれた。日韓戦は、ストライカーにとって悔いが残る一戦となった。

 コンディションに不安を抱えていた宮代大聖だったが、メキシコ戦以来2試合ぶりにスタメン出場した。前線でボールを収めて攻撃の起点となり、相手ゴールに迫っていく。2得点を奪ったメキシコ戦のように、ネットを揺らす予感をヒシヒシと感じさせた。ただ、この日は最後の局面で精度を欠き、決定機を決め切れない。

 とりわけ悔やまれるのは、78分のビックチャンスだろう。中村敬斗が右サイドから持ち込んで放ったシュートのこぼれ球を拾い、右足を振り抜いた。しかし、渾身の一撃は無情にも左ポストを叩く。

「決めていれば、こっちの流れになっていたと思う」

 本人も相当悔いが残ったのだろう。「世界で戦う難しさを感じました」と、自身の出来を嘆いた。

 敗退を告げるホイッスルが鳴ると、あふれる感情を抑え切れなかった。人目をはばからず、ピッチ上で涙を見せた。

「悔しかったところもありますけれど、自分が決め切れなかったところで悔いがある。U-17ワールドカップ(2017年)では16強で終わる経験して、このU-20ワールドカップは借りを返す気持ちが強かったので……」

 チームが勝てなかったのはもちろんのことだが、自身の不甲斐なさをただただ悔やんだ。

 今大会は初戦のエクアドル戦で途中出場ながら存在感を放ち、2戦目のメキシコ戦では圧巻の2ゴールを叩き込む活躍ぶり。『エース』への期待感は高まるばかりだが、勝負が掛かる大一番で結果を残せなかった。

「自分のストロングとして、前で基点になるところや、ボールに関わってテンポを作る部分はこの大会を通じて通用した」と手応えを口にしつつも、自責の念に駆られたのはそのためだ。

 韓国戦で味わった悔しさを今後につなげられるか。本人もその意味を十分に理解している。

「悔しさがあったからの涙。すぐ気持ちを切り替えないといけないし、悔しいままで終わらせないようにしたい」

 所属する川崎Fで進化を遂げ、必ずまた“日本代表”に戻ってくるために――。ポーランドの地で流した涙は、ストライカーのさらなる成長を促すことだろう。


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