1勝1分けで第3節のイタリア戦を迎えた日本代表。引き分け以上でグループステージ突破が確定、勝利すれば首位での決勝トーナメント進出が決定する状況の中、イタリアとスコアレスドロー。グループ2位でラウンド16へ進むこととなった。

上写真=負傷の田川に代わって入った中村。攻撃的な姿勢を見せるも、最後までイタリアのゴールネットを揺らすことはできなかった(写真◎Getty Images)

■2019年5月29日 U-20ワールドカップ・グループステージ第3節
日本 0-0 イタリア

前半は主導権を握るも得点できず

 前半は日本が主導権を握った。45分間を通して、イタリアにチャンスらしいチャンスを作らせない。日本はシュートを13本放ち、イタリアを半分以下の6本に抑え込んだ。

 しかし、数多くの得点チャンスを物にすることはできなかった。開始早々の2分に齊藤未月が放ったミドルシュートは相手GKの好守に遭い、その直後のCKではトリックプレーで斉藤光毅がゴールを狙うも、シュートは枠をとらえられない。

 9分には小林友希のバックパスがあわやゴールに吸い込まれるかという場面を迎えたが、GK若原智哉が寸前でボールをかき出すと、直後に前半最大のチャンスが訪れる。ペナルティーエリア内で田川亨介が倒され、主審はペナルティースポットを指さした。だが、キッカーを務めた伊藤洋輝はゴール右隅を狙ったものの、相手GKにストップされ、このチャンスでも得点を奪えない。

 22分にも再び大きなチャンスが訪れる。田川が相手の最終ラインの背後に抜け出し、GKと1対1。この場面でもシュートを止められ、先制はならず。しかも、このプレーで田川が負傷交代を余儀なくされ、中村敬斗がピッチへと送り込まれた。

 その後も斉藤のドリブルや、伊藤のミドルシュートからゴールを狙うも、ネットを揺らすことはできず、0-0で試合を折り返した。

 後半、中盤をダイヤモンド型に変えてきたイタリアに、日本は最終ラインの背後を狙われる。徐々にシュートチャンスを増やされ、55分にはFKからアンドレア・コルパニに、66分にはマルコ・オリビエリに、ゴールを脅かされた。それでも、守護神・若原が立ちはだかり、先制ゴールを許さない。

 一進一退の攻防が続く中、78分に再び日本をアクシデントが襲う。果敢にドリブルを仕掛けた斉藤光が相手DFとの接触の際に左肩を負傷。田川に続き、2人目の負傷交代を強いられた。

 終盤には、CKで東俊希の蹴ったボールに山田康太が合わせるも、ゴール前でブロックに遭う。そして、3分間のアディショナルタイムが終わり、試合終了のホイッスルが鳴り響いた。

悔しさと安堵が入り混じる結果に

 試合後、引き分けの結果を喜ぶイタリアに対し、日本の選手たちは「ロッカールームで非常に悔しがっていた」(影山雅永監督)という。影山監督は「(グループステージを)突破できたことが最初の目標でもあったので、うれしく思っている」と話しつつも、「この試合に勝って、1位で突破したかった」と本音を明かした。

 それでも、グループ2位の座を確保して、ラウンド16に進出する。「試合を重ねるごとにパフォーマンスを上げて、たくましくなった」と、指揮官もベスト16入りを果たした選手たちを称えた。

 ラウンド16の試合は、6月4日17時30分(日本時間5日0時30分)にキックオフされる。この試合が終わった時点で対戦相手は決まっていないが、前回大会を超えるベスト8、さらなる上位進出へ向け、勝利を目指す。

「次の相手にも勝って、また成長できるように、つなげていければと思います」(影山監督)

 影山監督率いる日本代表は、次のステージへと歩みを進める。

取材◎小林康幸


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