上写真=パク監督(写真中央)は、アンダー世代を指導しつつ、A代表の強化にも成功している(写真◎Getty Images)

 UAEで開催されているアジアカップ2019は、8強が出そろい、日本時間今夜22時、日本は成長著しいベトナムと準々決勝で対戦する。前日会見に出席した韓国人監督、パク・ハンソ氏は、下馬評では日本が有利とされていることを認めつつ、「最後まで戦う」と強調した。ベトナム代表監督による前日会見の要旨は以下の通り。

日本は今大会のベストチーム

ーー試合を明日に控え、いまどんな心境か。
パク監督 日本戦はとても厳しい試合になる。日本はこの大会でベストチームの一つであり、われわれのチームとの間には、大きな違いがある。サウジ戦を実際にスタジアムで見たが、驚いたことにGK以外、先発した11人のほとんどがヨーロッパでプレーする選手だった。個人個人の技術が高く、能力がある。ただわれわれもしっかり準備をして勝てるように試合に臨みたい。

ーーここまで勝ち進んでいるが、明日の試合はやはりこれまでとは違うのか?
パク監督 あすは日本が相手だ。最初から彼らはアグレッシブに来るだろう。彼らは攻撃が強みで、その手でわれわれよりも強いのは明らかだ。
ーーパク監督は韓国代表として1キャップを持っていて、その試合が日本戦だったというのは本当か。
パク監督 本当だ。東京での日本戦に途中出場したことがある(81年3月8日、東京・国立競技場で開催された第9回日韓定期戦。試合は丁海遠の得点で韓国が1-0の勝利)。

ーー韓国人として日本戦には負けたくないという思いは?
パク監督 確かに私は韓国人だが、今はベトナム代表の監督として仕事をしている。韓国でこの試合に対する関心が高いことは承知しているが、私はベトナム代表監督としての責任を果たしたいと考えている。ベトナム代表チームでのこの1年はミラクルだった。コーチングスタッフや関係者が協力してくれたおかげだ。韓国では私の役回りはないかもしれないが、ベトナムではこんな私でも役に立てている。この仕事の機会を与えてくれたベトナム協会にとても感謝している。
ーーベトナム協会は素晴らしいアカデミーシステムを持ち、ここ数年で成果を出しているようだが、その影響は、現在の代表チームに及んでいるのか。
パク監督 ユースの育成システムは、ベトナム経済が成長し、それに合わせてサッカーへの投資も行なわれてきたことで発展した。色んなところでユースシステムを導入しているが、まだすべてが質が高いわけではない。

ーー監督が就任してから、代表チームのどの部分が伸びていると感じているか。
パク監督 私が就任してから結果が出ていることは確かだ。それは記録をみれば分かるだろう。プレーの面も明日、試合を見てもらえれば分かると思う。
ーー昨年のアジア競技大会ではベトナムが日本に勝った。同じことを明日、起こせると思うか。
パク監督 個人的に日本の監督と知り合いではないが、彼が知識を持ち、インテリで、Jリーグで優勝経験があることを理解している。確かに日本はアジア大会でベトナムに負けたが、その1試合だけで彼を評価することは、私はしない。
 スズキカップに優勝して、この大会では16強入りすることが目標だった。それを達成したが、ベトナムの選手たちは、いま大きな経験をしている。明日も大きな経験になる。

ーーイラン、イラクとグループステージで戦った。彼らはプレッシングを行なうスタイルだったが、明日の日本戦にその経験が役に立つと思うか。
パク監督 イラン、イラクは中東のチームで、日本は彼らとはプレースタイルが違う。ただ、イラン、イラクという強いチームと対戦したことはわれわれにとって大きな経験になったので、明日の試合に手助けになるかもしれない。明日は、とにかく走り続けることが大事だと思っている。
 多くの識者が日本有利と予想しているが、われわれのコーチ陣が一生懸命、日本について分析し、弱点を見つけようとしているし、選手たちも最後まで恐れることなくプレーするはずだ。私も、私たちの選手も最後まで戦うつもりだ。
ーーヨルダン戦は良い準備をして、勝利を手にした。明日の試合の準備はどうか。
パク監督 日本は今大会のベストチームだ。ただ、分析してウィークポイントを探している。もちろん、できる準備はすべてするつもりだ。

写真◎Getty Images


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