左から日本eスポーツ連合の岡村会長、茨城県の大井川知事、日本サッカー協会の田嶋会長(写真◎BBM)
9月4日、日本サッカー協会のJFAハウスで共同記者発表会が開かれ、茨城県と日本eスポーツ連合は、2019年10月に、第74回国民体育大会(国体)、並びに第19回全国障害者スポーツ大会の文化プログラムとして全国初の試みとなる『都道府県対抗で行なうeスポーツ大会』を開催すると発表した。同大会の主催には、日本サッカー協会も加わることになった。
都道府県大会は初の試み
すでに国体にeスポーツが参加することは発表されていたが、この日の会見で、日本サッカー協会が主催団体の一つに加わり、種目の一つとしてサッカーゲームの『ウイニングイレブン』が使用されることが決まった。大会概要については以下の通り。
■大会:全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI
■使用タイトル:ウイニングイレブン2019
※3人1組(CO-OPモード)による団体戦
※実施競技は今後、増える可能性あり。
■プラットフォーム:PS4
■大会開催部門:(1)オープンの部=年齢制限なし
(2)少年の部=高等学校等に在籍する者
■表彰:入賞チームへの表彰
※賞金はなし
■主催:いきいき茨城ゆめ国体・いきいき茨城ゆめ大会実行委員会
一般社団法人 日本eスポーツ連合
公益財団法人 日本サッカー協会
次に実施方式についてだが、出場登録のあったチーム(今後開設する大会特設サイトにて、2019年2月から受付開始予定)による予選会を実施し、各都道府県代表を選出。各都道府県代表(各都道府県、原則1チーム)が茨城県内で実施する本戦に出場し、順位を決定する。予選会と本大会の日程は以下。
■予選会:日程=2019年4月~7月
方法=オンライン/オフライン大会方式で各都道府県代表を選出。
※都道府県予選会の方法は、2019年2月から随時発表
■本大会:日程=2019年10月4日(金)、5日(土)、6日(日)
■会場=茨城県内
会見に出席したサッカー協会の田嶋幸三会長は「日本サッカー協会は、サッカーを通じて豊かなスポーツ文化を創造し、人々の心身の健全な発達と社会の発展に貢献する。この理念をもって活動しています。今回、全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKIの共同の主催者となることで、私ども理念の実現に新たな道筋を加えることになると大変うれしく思っています」と話し、サッカー協会としても、大会の成功に前向きに取り組んでいくことを強調した。
全国に法人格の組織を持つサッカー協会が加わることで予選会のスムーズな開催が可能となる上に、今回は文化プログラムの一環ながら大会の『重み』がいっそう増したのは間違いないところ。日本eスポーツ連合の岡村秀樹会長は「新たな元号のもと開催される日本のスポーツの祭典である国体で、eスポーツが採用されたことを大変喜ばしく思っております。できればこれをきっかけに中学高校などの部活動の設立に向けた第一歩になればいいと思っています」と話し、「日本においては黎明期にあるeスポーツ」のさらなる発展の第一歩となることに期待を寄せた。
また、開催地の大井川和彦茨城県知事も次回以降の開催を見据えて、「(次回の国体開催地である)鹿児島県と具体的には動いていないが、今回のことは話題になっていると思いますので、そういうところを見て、考えていただけたら。この動きがこのまま続けば」と語り、国体で継続的にeスポーツが採用されることを期待。そのためにも第1回の成功に力を注ぐと強調した。
なお、本年9月15日には大会開催1年前を記念して『全国都道府県対抗eスポーツ選手権 2019 IBARAKI』の前哨戦となる『茨城プレ大会』をつくば国際会議場が開催される(観戦は無料)。同大会の模様はTwitch、ニコニコ動画、YouTubeで生配信される予定だ。
取材◎佐藤 景