■グループG
ベルギー…2大会連続13回目
パナマ…初出場
チュニジア…3大会ぶり5回目
イングランド…6大会連続15回目
強豪クラブの主軸を担うタレントがそろったベルギー。過去最高の4位以上の成績を期待されている(写真◎Getty Images)
鉄板だろう。ベルギーとイングランドだ。この2強による1位抜けの争い以外、興味を向ける先に乏しいグループかもしれない。
チュニジアとパナマの2弱にこれといった強みがないからでもある。互いに国際的に名の通ったタレントが見当たらないことも、評価を大きく下げている要因か。
むしろ、アウトサイダー扱いされているところに、かすかな希望の光がある。完全なノーマークゆえに、2強がタカをくくって対策を怠る、という筋書きだ。
もっとも、情報化が著しく進んだ現代においては、それも「望み薄」と言える。前回大会では似たような状況にあった伏兵コスタリカが世界をあっと言わせたが、そうそうある話でもあるまい。
もっとも、2強と位置づけられるベルギーとイングランドが絶対的に強いかと言えば、それも怪しいところ。正直、名前(個々のタレント)先行のきらいが、なくもない。
確かに、ベルギーは「有名人」ぞろいだ。いまをときめく司令塔のケビン・デブルイネをはじめ、エデン・アザール、ロメル・ルカク、ドリース・メルテンス……と、数え上げたらキリがない。
ただ、攻撃陣のタレントを「全部盛り」しようというベンチの企みが攻守のバランスを危うくしている面もある。ツボにはまれば、ゴールラッシュを約束されるが、空転の恐れも否定できない。
若いタレントが育ってきたイングランドは、3バックの新システムを導入してから調子がいい。3バックに慣れたトットナム組が主力を占めているのも追い風か。
前線にハリー・ケインという強力な決め手を持っているのも強みだろう。しかし、いかんせん国際舞台での経験値に乏しい。勢いに乗れば面白いが、歯車が狂うと、立て直すのが難しいかもしれない。
「怪しい2強」の争いは場数を踏んできた点で、ベルギーが一枚上手。その見立てもけっこう怪しいが。
文◎北條 聡