■グループF
ドイツ…17大会連続19回目
メキシコ…7大会連続16回目
スウェーデン…3大会ぶり12回目
韓国…9大会連続10回目
ドイツの実力が抜きん出ているのは明白だが、2位争いは激しくなりそう。いずれもチャンスがありそうだが、堅守を誇るスウェーデンが1歩リードか
1強3弱、いや、3強1弱と言うべきか――。1強ならドイツ、1弱なら韓国だろう。
韓国にとっては「ドイツ1強」が望ましいはずだ。何とかしてスウェーデンとメキシコとの三つ巴に活路を求めたいからである。
だが、スウェーデンもメキシコも強い。前者はプレーオフでイタリアを葬った実力者だ。後者にしてもベスト16の常連である。
いくら大本命のドイツでも、そうやすやすと勝ち点を奪える相手ではないだろう。さすがに負けることはないとしても、引き分ける可能性なら十分にある。
当面のライバルたちがドイツから勝ち点をもぎ取るくらいの充実ぶりなら、韓国に突破の芽はなくなるかもしれない。
もちろん、ドイツが3戦全勝でも驚く者はいない。何しろ、優勝候補の最右翼、連覇も夢ではない――との高い評価を集めるくらいだ。
とにかく、戦力的にも、戦術的にも死角らしい死角が見当たらない。リオネル・メッシやクリスティアーノ・ロナウドのような飛び抜けたスターこそいないが、いずれ劣らぬ実力者がずらりと並ぶ。
速さ、強さ、高さに加え、いまのドイツには巧さもある。臨機応変の戦いぶりを含め、どんな相手に対しても、勝ち切るだけのツールがそろっている。
あらを探せば、これという点取り屋がいないことか。守備ブロックの強固なスウェーデンにがっちり守られたときに、どうなるか。その点、パスを回して攻めてくるメキシコの方が与しやすい相手だろう。
ドイツが1位で抜けるとすれば、2位はスウェーデンかメキシコか。ロシア開催で暑さがそれほど敵にならないという意味で、スウェーデンにやや分があるかもしれない。
もはやズラタン・イブラヒモビッチはいないが、攻撃を仕切る才人エミル・フォルスベリは優秀だ。タレント力ならメキシコが上だが、ここは北欧の雄を推しておく。イタリアの名誉のためにも。
文◎北條 聡