■グループA
ロシア…2大会連続11回目
アウジアラビア…3大会ぶり5回目
エジプト…7大会ぶり3回目
ウルグアイ…3大会連続13回目
本命は古豪ウルグアイか。スアレス、カバーニ(写真)というワールドクラスのFWを前線にそろえているのはやはり大きい(写真◎Getty Images)
順当なら、強豪ウルグアイが首位通過を果たし、2位にはホスト国のロシアがすべり込む――。
だが、どうにも波乱含みに見えて仕方がない。すんなり、収まるところに収まるのかどうか。 タレント力なら、確かにウルグアイは動かぬ本命だろう。後ろに海千山千のゴディン、前にはスアレスとカバーニという大会屈指の2スピアヘッドを擁している。 おまけに伝統の堅守速攻も健在と来れば、いったい、どこに不安要素があるのか。いや、あるのだ。
頼みの堅守と速攻――どちらも、取り上げられてしまう恐れがある。相手に「はい、どうぞ」とボールを持たされたときに、どこまで戦えるのか。そこが怪しい。
何しろ、残る3カ国も守ってナンボ、奇襲をかけてナンボ。喜び勇んで攻めては来ない。もう、やりにくい相手ばかりなのだ。 実は前回大会でも伏兵コスタリカにお株(堅守速攻)を奪われ、足をすくわれている。そんなこんなで、危険な本命なのだ。 いや、ロシアはもっと信用ならない。タレント力に乏しく、決め手もないのだ。アテにできるのはスタンドの大声援によるブースト効果――では、敗退の恐れも十分にある。
むしろ、伏兵扱いのエジプトの方が有力だろう。智将クーペルの手掛けたチームは手堅く守り、そこから鋭い速攻を繰り出してくる。 何よりの強みは、いまや飛ぶ鳥を落とす勢いのサラーがいることだ。この「最もメッシに近い男」が波乱を呼び込む主人公だろう。
エジプトに比べて未知数なのは、サウジアラビア。新監督のピッツィは守備を重んじる「安全第一」の人ではない。下手を打てば、最下位へまっしぐらだが、好タレントの個性を生かせば、厄介な存在となる。 さすがに、ウルグアイには「まさか」の事態はないとみるが、ロシアはどうか。ここは「エジプト推し」の一手だろう。
文◎北條 聡