秋田は連覇に虎視眈々

すでに開幕しているJ1とJ2に続き、3月9日にはJ3がスタートする。2014年にスタートしたJ3は、毎シーズン新しいチャンピオンが生まれている。今年も白熱した戦いが期待される。

昨年初優勝を果たした秋田は、杉山弘一監督が今季も指揮を執る。J1でもプレーした藤田祥史、薗田淳らも補強。J2ライセンス取得のためスタジアム建設への機運も高まっており、ぜひとも連覇を飾りたいところだろう。

昨年にJ2ライセンスを取得した鹿児島は、昨季リーグ得点王の藤本憲明がJ2の大分へと移籍。昨季22試合出場の上本大海が引退するなど、改めてチームの柱となる選手たちの出現が望まれる。同じく昨年にJ2ライセンスを交付された琉球は、3年目となる金鍾成監督の下、年々順位を上げてきた。特に昨季は失点を大幅に減らし、クラブ最高の6位に到達。さらなる飛躍が期待されるところだ。

昨季は栃木が2年ぶりのJ2復帰を果たしたが、その他のJ2経験クラブは富山が8位、北九州が9位と何とか1ケタ順位にとどまり、鳥取が最下位と、あまり振るわなかった。ただし、裏返せば他に躍進するクラブが出てくるということだ。その筆頭は初優勝した秋田であり、J3加入初年度だった沼津も3位と健闘した。

上昇気配を感じるYS横浜

上位だけではなくとも、上昇を示すクラブもある。一昨年には最下位だったY.S.C.C.(以下、YS横浜)は、14位で昨季を終えた。たった2つしか順位は上がっていない。だが得点数を見れば、15得点から41得点と、3倍近くも上がっている。

そのYS横浜は、Jリーグ初の試みを行った。マラウイ共和国の選手を、Jリーグクラブで初めて獲得したのだ。

MFジャブラニ・リンジェは、昨年12月に行われたセレクションを経て入団が決まった。5日には、クラブ事務所で会見が行われ、「日本の皆さん、こんにちは」と日本語であいさつ。まだ来日して2週間で、カメラを向けられ緊張した様子だったが、「J3制覇が目標」と意気込みを語った。

アフリカ人選手というと身体能力の高さを活かしたプレーを想像しがちだが、YS横浜の吉野次郎理事長によると、技術の高さがありオールマイティにプレーできる選手だという。リンジェ本人も「攻撃的MFとして技術を披露したい」と語る。また「献身的にプレーして、真面目に取り組む」(吉野理事長)という点も評価されたようだ。

そのYS横浜は9日、この日には唯一の開催となる試合で、相模原と対戦する。キャプテンを務める川口能活やJ1での経験も豊富な新戦力・成岡翔ら実力者がそろうチームとYS横浜の一戦で、今季のJ3が熱く幕を開ける。

取材◎杉山 孝


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