1回戦@オリプリ 明秀日立3-0高知西 得点者:(明)荒井、伊里、橋本

目立たずに無失点試合を継続

明秀日立のGK藤田陽輔は、この日も無失点で試合を終えた。高校選手権では茨城県大会の2回戦から全6試合で完封勝利という結果を残している。

「藤田に仕事がないこと。それが一番いい勝ち方だと思う」
明秀日立が1回戦の高知西戦で打たれたシュートはわずかに1本。大事な初戦での完封勝利を、主将のDF深見凛はそう表現した。

確かに、GKとしては出番が少なかった試合のようにも思える。だが、全国の舞台でも「コーチングを切らさずにできた。(クロスボールにも)自信を持ってチャレンジした」と、シュートを未然に防ぐための仕事を全うした。とりわけ、セットプレー時やクロスボールに対するハイボールの処理には抜群の安定感がある。『被シュート数』はほとんどなかったとはいえ、数字に表れないところでの存在は絶大だった。
「自分が止めるという自信はあるけれど、シュートを打たれるリスクを負いたくはないので、まずはチームとして守れるところはしっかり守って、それでも打たれたら僕が止める。ここまではなるべく目立たないような試合をしてきた」

中学時代を鹿島の下部組織で過ごした藤田は、鹿島ユースへの昇格が叶わず、地元の明秀日立に入学した。それだけに、来季の鹿島入りが内定しているGK沖悠哉ら、中学時代のライバルの活躍は、今でも刺激になっている。「沖たちが活躍しているという情報は自分にも入ってきている。彼らに負けないように、自分は選手権のピッチに立って、勝つという目標でやってきたので、まずはそれを達成できてよかった」と、言葉に力がこもる。

「まだ1勝しただけ。おごらずに次の試合も頑張りたい。自分はあまり目立たずに無失点試合を継続し、チームが勝てればいい」

明秀日立の守護神は、星稜との2回戦へ向けて静かに闘志を燃やす。

ふじた・ようすけ/1999年5月7日生まれ、鹿島アントラーズJYノルテ出身。持ち前のジャンプ力を生かしたハイボールの処理には絶対の自信を持つ。長身を生かしたプレーが武器のGK。182cm、67kg


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