画像: ズラタンの同点ゴールをアシストし、決勝点を決めた関根。浦和の連敗を3で止め、埼スタに歓喜をもたらした

ズラタンの同点ゴールをアシストし、決勝点を決めた関根。浦和の連敗を3で止め、埼スタに歓喜をもたらした

2017.07.02 明治安田生命J1リーグ第17節 
浦和レッズ 4-3 サンフレッチェ広島

J1第17節の第1日は、7月1日に各地で6試合が行なわれ、浦和レッズは本拠地の埼玉スタジアムでサンフレッチェ広島に4-3で競り勝ち、連敗を3で止めた。

文◎杉園昌之

「刺激になった」(原口元気)

久しぶりの歓喜で、埼玉スタジアムが最後まで揺れていた。リーグ戦では約2カ月ぶりとなるホームでの白星。3-3の同点で迎えた終了間際、浦和の24番が左サイドのハーフウェーライン付近でボールを収めると、客席のボルテージが上がる。関根貴大は「足が一歩も出ないくらい疲れていた」と言いながらも、最後の力を振り絞って、大声援の期待に応えた。

1人かわすと、一気にスピードを上げて左サイドからカットイン。キャリア最高と自我自賛したゴールへの道筋を描く。ドリブルはゴールエリアまで止まらず、計6人を抜き去ると、仕上げも完ぺきにこなす。GKの位置を確認し、低い弾道でニアサイドを抜いて決勝ゴールをマーク。「個の力で点を取れたことは自信になる」と胸を張った。

スタンドで観戦していた浦和アカデミーの先輩で、OBの原口元気は手を叩いて喜んだ。

「感動したよ。最高のゴールでしょ」

2-0から一時は2-3と逆転され、85分に同点に追いついたシチュエーション。90分間、走り抜いた末のアディショナルタイムでドリブルを選択したことに脱帽していた。

「普通のスーパーゴールではない」

浦和時代に愛着ある24番を託した関根は、原口にとって特別な後輩。ドイツのヘルタ・ベルリンへ移籍してからも気にかけ、「アカデミー出身として他のヤツに負けるな。勝負どころで点の取れる選手になれよ」とハッパを掛け続けていた。

画像: 後半アディショナルタイム(90+2分)に関根が勝ち越しゴールを決めた

後半アディショナルタイム(90+2分)に関根が勝ち越しゴールを決めた

関根はジュニアユース(中学生)時代から同じドリブラーとして原口と比較されて育ち、今も強く意識する存在。試合後、3万人近い浦和サポーターの前でマイクを握ると、「原口元気が見ている前で点を取れてうれしい」とその思いを隠そうとはしなかった。

「何か、(力が)働いたのかな」と笑みを浮かべる顔は、あどけなさが残る22歳の表情。尊敬する先輩からはさっそく「プロキャリアで一番いいプレーじゃない?」と声をかけられたと言い、照れ笑いを浮かべていた。

かねてから「いつか、24番は関根と言われようにしたい」という思いはファン・サポーターにもきっと届いているはず。この日は最後まで「アレ、関根貴大」という応援歌が会場に響き渡っていた。

原口は「まだ、これからだよ」とふっと口元を緩めながらも、「刺激になった」と表情を引き締めていた。ただのかわいい後輩ではなくなったことを認めているようだった。


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