上写真=U-20日本女子代表は連覇を逃したが、素晴らしい戦いで準優勝を果たした(写真◎Getty Images)
■2022年8月28日 U-20女子ワールドカップ決勝(コスタリカ/観衆29,891人)
スペイン 3-1 日本
得点者:(ス)ガバーロ、パラルエロ2(日)天野紗
浜野まいかが大会MVP
12分、ガバーロ。22分、パラルエロ。27分、パラルエロ。
日本はいきなりスペインに3ゴールを許した。最初の2点はDFラインの裏に送り込まれ、3点目は不運なPKによるものだった。キックオフからスペインのパワーとスピードあふれる攻撃を真正面から受けてしまい、非常に難しい試合になった。
これで吹っ切れたか、30分を過ぎたあたりからようやくチャンスを迎える。32分に右から杉澤海星が強烈に狙い、1分後には左からのクロスに最後は浜野まいかがシュート。38分にも左から山本柚月が逆サイドに飛ばし、田畑晴菜がジャンピングショットを放った。しかしいずれもゴールを割れない。5バックから4バックに移行し、攻撃の意思を鮮明にした。
この勢いは後半も続いた。開始早々の47分にはFKで変化をつけて短く動かしてからゴール前へ、石川璃音、田畑とつないで最後は後半から入ったばかりの天野紗が蹴り込んで、1点を返した。これで一気に日本のペースに。準決勝までの5試合で失点はわずかに1という堅守のスペインを、ほとんど相手陣内に押し込んだ。シュート数はスペインの9本を上回る14本を浴びせ、支配率も日本54%対スペイン46%と後半に逆転した。杉澤海星は振り返る。
「前半の入り方は日本らしさを出せなくて失点してしまい、苦しい状況になって立て直すことができずに実力不足と感じました。でも、後半は自分たちのサッカーができて、応援してくれた皆さんに日本らしさを見せられたのではないか」
何度もサイド攻撃を仕掛けて相手陣内深くまで入り込み、ゴールを脅かした。それでも最後はこれ以上、ゴール前の赤い壁を崩すことはできなかった。
「負けましたが、すごく楽しくて成長できたと自分で感じることができました。この舞台に立ててうれしかった」
杉澤が選手たちの思いを代弁する。池田太監督も選手たちを称賛した。
「アグレッシブに最後まであきらめずに戦い抜きました。1試合1試合、選手たちはたくましくなりました。一体感を持ちながら、サッカーに取り組んで真摯に向き合って成長してくれました。結果は受け止めなければいけないですが、選手たちの歩みはまだまだ続きます。引き続き応援していただければと思います」
大会史上初の連覇とはならなかったが、苦しい6試合を戦い抜いて「成長」という名の銀メダルは金色の輝きだ。表彰式では爽やかな笑顔。日本はフェアプレー賞を受賞し、3得点の山本がブロンズブーツ賞(得点ランク3位)、4得点の浜野がシルバーブーツ賞(同2位)を獲得、そして浜野は大会MVP(ゴールデンボール賞)に輝いた。
日本の大会成績
〈グループステージ〉
8月11日 ○1-0オランダ
得点:(日)山本柚月
8月14日 ○2-0ガーナ
得点:(日)浜野まいか2
8月17日 ○3-1アメリカ
得点:(日)松窪真心、小山史乃観、田畑晴菜 ※日本のみ
☆3勝でグループD首位となり、ノックアウトステージ進出
〈準々決勝〉
8月22日 ○3-3〈延長〉PK5-3 フランス
得点:(日)山本柚月、浜野まいか、藤野あおば ※日本のみ
〈準決勝〉
8月25日 ○2-1ブラジル
得点:(日)山本柚月、浜野まいか ※日本のみ
〈決勝〉
8月28日 ●1-3スペイン
得点:(日)天野紗 ※日本のみ