上写真=77分のビッグチャンス、神田奏真がヘッドで狙うがGK正面に(写真◎Getty Images)
「決めていれば…」
中2日のゲームの連続で、これが5試合目。日本は準々決勝から8人のメンバーを入れ替えて準決勝に臨んだ。
適度な距離感からパスをつなぎつつ、サイドへの大きな展開も含めて安定してプレーしていたが、小さなミスが続くようになってオーストラリアに押し込まれる場面も。43分にFW高岡伶颯(日章学園高)がペナルティーエリア内に入って強引にシュートを狙ったが外れるなど、なかなか決定機を作れない。
五分五分の展開から迎えた後半は、早々にビハインドを負った。49分、左サイドをスピーディーに突破され、折り返しをFWムサ・トゥーレに蹴り込まれて先制を許した。
58分にMF大関友翔とFW神田奏真の川崎フロンターレ・コンビを投入すると、すぐさま攻撃が活性化。大関がいきなり左足で強烈なシュートを放ち、これはバーに直撃するものの、同点への強い意志が示された。
さらに66分にDF髙橋仁胡(C大阪)とMF梅木怜(FC今治)が入った直後に、自分たちのミスから手痛い追加点を奪われてしまう。67分、MFジェイラン・ピアマンにミドルシュートをたたき込まれて、2点を追いかける展開になった。
ここからは左サイドを何度も突いていく。73分には大関が左に振って高橋が縦へすかさずパス、抜け出したMF石井久継(湘南)が切り返して右足で狙うスムーズな攻撃を見せたが、シュートは右へ。77分には高橋のカットインからのクロスを神田がヘッドで押し込もうとしたが、GKの正面。78分にも高橋がクロスを送るが、高岡が弾いてしまって打ちきれず。
その高岡に代えて79分にはFW道脇豊(ベフェレン=ベルギー)を投入し、186センチの高さも加えた。82分にはまたも大関が左足でミドルシュートを狙うが上へ。91分には中島洋太朗(広島)が25メートルほどのFKで右下を直接狙うが、わずかに切れた。
そして、アディショナルタイム6分を過ぎたところで、無情にもタイムアップのホイッスル。日本は決勝を目前にして涙をのんだ。
「得点も取れずに2失点してしまったので、悔しい思いでいっぱいです。自分の決定機が2回あったので、決めていれば流れは変わったと思う。反省しなければいけない」
そう振り返ったのは、途中出場で流れを変えた大関だ。
「アジア王者として行きたかったので、その目標は達成できなかった。アジアで勝てないのは自分たちの力不足。チームとして反省と課題が見えたので突き詰めたい」と9月にチリで行われるU-20ワールドカップへ向けて、新たな目標ができた。