上写真=小倉幸成(6)が目の覚めるようなミドルシュートをたたき込んで同点!(写真◎Getty Images)
最後はキャプテン市原がど真ん中へ!
「マジでうれしいです!」
PK戦にもつれ込んだ激戦を締めくくったのは、キャプテンのDF市原吏音(大宮)だ。じっくり時間をかけ、落ち着き払ってど真ん中に蹴り込んで、イランを1-1からPK戦4-3で振り切ってベスト4進出、U-20ワールドカップ出場を決めた。
苦しい試合は立ち上がりから難しくなった。いきなり5分に失点を食らったのだ。
中央でイランのハイプレスに捕まると、そのまま一気にゴール前まで押し込まれ、人をかけてブロックはしたものの最後はガンディプールに蹴り込まれた。一連の流れでオフサイドにも見えたものの、VARシステムがないために、ゴールは認められた。
強くて速いプレスに後手に回った日本だが、時間が経つにつれてボールをテンポよく動かし始めて反撃モードに。13分には右から左に展開しつつ、今大会で初めて先発起用されたFW井上愛簾(広島)の鋭い折り返しをFW神田奏真(川崎F)がバックヒールで狙うがGKシャコウリがストップ。
18分には右サイドバックの梅木怜(FC今治)が井上をポストに使ってペナルティーエリアに進入して右足で狙ったが、わずかに左へ。22分にも左へのサイドチェンジを受けた神田が折り返し、井上が狙ったがGKがストップ。
切り替えの鋭さを取り戻し、リズミカルにつないでペースを完全につかむと、ついに同点に追いついたのが30分だ。左右に振って相手を揺さぶると、ボランチの小倉幸成(法政大)が右寄りの20メートルほどの距離から右足で強烈なミドルシュートを放ち、ゴール左に突き刺した。
この後も日本がファイトしながら相手の穴を突いていく。44分にはボランチの大関友翔(川崎F)のスルーパスからターンして狙った井上のシュートは、GKが伸ばした足にかき出された。後半も日本のペースで、58分には左サイドハーフの石井久継(湘南)の無回転ミドル、62分には右サイドハーフの佐藤龍之介(岡山)の左CKから井上のヘディングシュート、69分にも大関のミドルシュートでゴールを襲ったが、いずれもGKに防がれた。
75分に井上に代えてサウサンプトン(イングランド)加入が決まっているFW高岡伶颯、大関に代えて中島洋太朗(広島)を、81分には神田に代えて道脇豊(ベフェレン=ベルギー)を投入して、攻撃にフレッシュさを加えた。イランのパワープレーに苦しみながらも耐えて、90+4分には梅木が佐藤のワンツーでペナルティーエリア内から狙ったが、GKへ。直後にはこぼれ球を拾った中島が右から折り返し道脇が足を伸ばしたが、ライン上でブロックされた。
1-1のまま延長戦に突入したが、ここでもチャンスを多く作った。94分に道脇のパスで右サイド深くに潜った佐藤が折り返し、高岡が至近距離から狙うも相手がブロック。98分に髙橋仁胡(C大阪)の左からのクロスをファーで佐藤がボレーで狙うが、道脇の背中に当たってしまう。104分には中島の右からのクロスに高岡が体勢を崩しながらもヘッドで狙うがGK正面に。108分にペナルティーエリア手前からのFKを佐藤が左に蹴り込むが、またもやGKのファインセーブに遭った。
数多のチャンスを迎えながらもこのままスコアは動かず、PK戦へ。先攻のイランは1人目がバーに当てると、2人目も右に外す。後攻の日本は中島、高岡が確実に決め、続く髙橋は止められたものの、佐藤、そして最後に市原がど真ん中に蹴り込んで、4-3で振り切って世界への切符を手に入れた。
「先制されてしまいましたが、自分のクリアミスから始まっていて取り返したい気持ちがありました。後ろはこれ以上失点しないように話していましたし、前線も点を取ってくれて、たくさんチャンスがある中で1得点というのは悔しかったと思いますが、これが僕たちだし、仲間を信じて、チームを信じて一つになれた結果で、自信につながります」
市原は試合の難しさと世界へ出ていく喜びをそう振り返った。
次の目標は優勝だ。まずは2月26日に準決勝でオーストラリアと対戦する。