上写真=前半28分にゴール前に飛び込み、ネットを揺らした神田(右/写真◎Getty Images)
勝利目前、自陣で奪われ追いつかれる
すでにグループステージ突破が決まっている韓国とは異なり、日本は負ければ敗退の可能性がある中でこの試合を迎えていた。前節のシリア戦から先発4人を入れ替え、システムも3バックではなく4バックを採用。アグレッシブに点を取りに行く姿勢を序盤から示すと28分、神田奏真(川崎F)がネットを揺らす。
ピッチを横断するように右から左へボールを動かし、攻撃参加した左サイドバックの高橋仁胡(C大阪)からパスを受けた石井久継(湘南)がクロスを供給。ボールはゴール前を横切り、ファーに走り込んだ神田が触ってゴールイン。日本が欲しかった先制点を手にした。
その後、韓国の攻撃を受ける時間帯もあったが、GK荒木琉偉(G大阪)の好守もあって無失点で切り抜け、後半に折り返す。相手が決勝トーナメントの戦いも考慮しつつ、選手を交代させながら試合を進めたのに対し、日本はリスクを管理しながらも2点目を狙いにいった。
試合は後半アディショナルタイムに入り、日本は勝利をつかみかけていた。だが90+1分、痛恨の失点を喫する。石井に代わって69分からピッチに登場していた井上愛簾(広島)が前線から最終ラインの市原吏音(大宮)へバックパス。市原がトラップで相手をかわそうとした瞬間にボールを奪われ、直後のミドルシュートは阻止したものの、跳ね返ったところを拾われて、最後はキム・テウォンに決められた。日本は土壇場で同点に追いつかれてしまった。
試合はそのまま1−1で終了。引き分けでも準々決勝には進出できるものの、後味の悪さの残る展開となってしまった。1勝2分けでグループDの2位となった日本は次戦、グループC・1位のイランと対戦することになった。イランはここまで3戦全勝で11得点1失点と、今大会は絶好調。
難敵イランに勝てば、日本が9月にチリで行われるU−20ワールドカップの出場権を手にすることになる。終了間際の失点を引きずることなく、しっかり切り替えた上で今大会最大の山場に臨むことが重要だろう。