上写真=鋭い出足で何度もアーセナルの攻撃を封じたリバプールの遠藤航(写真◎Getty Images)
速く強く激しい世界最高峰の攻防
プレミアリーグの首位攻防戦。両チームにとってシーズン前半の山場と言ってビッグゲーム。先手を取ったのはアーセナルだった。
4分。試合開始直後から前向きのプレーを見せていたアーセナルがネットを揺らす。敵陣やや左サイドで得たFKの場面で、ウーデゴールが蹴り入れたボールをガブリエウがヘディングシュート。試合の入り方に成功したのはアウェーチームの方だった。
早々に追いかけることになったリバプールはしかし、15分を過ぎたあたりから攻めの形をつくり始める。ポイントになったのは右サイドだ。アーセナルの左サイドバック、ジンチェンコに対して右ウイングのサラーが積極的に1対1を仕掛け、優位な状況を生み出していった。すると29分、アレクサンダー=アーノルドから放たれたロングフィードを右サイドの深い位置で受けたサラーがさすがのプレーをみせる。ジンチェンコを外してボックス内へボールを運ぶと、左足を一閃。ニアサイドを打ち抜き、前半のうちに同点に追いついた。
4−3−3のアンカーを務めた遠藤は状況に応じたポジショニングで攻守でチームを下支えしていった。アップテンポかつ目まぐるしく局面が入れ替わるゲームの中でも自分の役割を全う。前半アディショナルタイムにはイエローカードをもらうことになったが、守備面の集中力が高く、後半になると鋭い出足で何度もボール奪取に成功してショートカウンターの起点になった。
終盤になっても両チームの足は止まらず、選手を交代させながらハイインテンシティも保たれた。しかし、勝ち越しゴールはどちらのチームも手にすることができず。アーセナルのCKからカウンターに転じ、リバプールのA・アーノルドが狙ったビッグチャンスも、シュートがクロスバーを直撃し、ゴールとはならなかった。
試合は結局、1−1で決着。両チームのレベルの高さがピッチで発揮された白熱の首位攻防戦は、互いに勝ち点1を分け合うことになった。
なお、5試合連続で公式戦先発出場を果たした遠藤は、前述の通り試合中にイエローカードをもらったものの、最後までピッチで奮闘。中盤にけが人を抱えるチームの中で、ますます存在感を高めている。