上写真=ラツィオの鎌田大地とセルティックの旗手怜央が激しく競り合う(写真◎Getty Images)
チャンスの数はセルティックの方が多かったが…
先にネットを揺らしたのはセルティックだった。右サイドからカットインした前田がマット・オライリーに預けると、ボックス内で古橋がダイレクトのボールを引き出し、狙い済まして右足でシュート。古橋にとってCL初となるゴールでセルティックが先制点を手にした。
その後もセルティックが押し気味に試合を進める中、ラツィオがワンチャンスをものにする。29分、右CKの流れからマティアス・ベシーノがヘッドで押し込み、試合を振り出しに戻した。
ホームのセルティックは追いつかれながらも攻撃姿勢を維持し、前田がスピードを生かして何度かゴールに迫り、59分には旗手がFKであわやのシーンを創出。勝ち越しを目指したが、なかなかゴールを割ることができなかった。81分にアリステア・ジョンストンの右クロスから前田を経由してルイス・パルマが決めたゴールも、VARチェックにより、中央で前田がオーバーヘッドでボールに触れた瞬間にパルマがオフサイドと判定され、取り消しに。あと一歩まで迫りながら、セルティックは勝負を決めるゴールをもぎ取ることができなかった。
一方のラツィオも69分に鎌田がボックス外から右足シュートを放つなど、少ないながらも攻めの機会を生み出すが、なかなかゴールにはつながらず。試合時間は90分を過ぎ、いよいよアディショナルタイムに突入する。
ドローで決着するかと思われたが、90+5分のことだった。アウェーチームが歓喜を味わい、ホームチームが絶望する瞬間が訪れる。
前田の落としを受けたキャメロン・カーター=ビッカースが処理にもたつき、自陣でボールをロスト。一気に攻めに転じたラツィオは、マテオ・ゲンドゥージがボックス右から上げたクロスを、ペドロがヘディングシュートを放ち、ボールを逆側のネットへ送り込む。試合終了間際に途中出場の2人によってアウェーチームが決勝点をつかんだのだった。
試合全体を通して見れば、優勢だったのはセルティックの方だ。チャンスの数も多かったが、先制点を奪った後に追加点を記録できなかったのが痛かった。一方、ラツィオは決定機の数は限られながらも、効率よく2点をもぎとり、貴重な勝ち点3の獲得に成功。鎌田もフル出場で勝利に貢献した。