上写真=7試合ぶりの先発ながら鋭い読みと統率力で守備を引き締めたフランクフルトの長谷部誠(写真◎Getty Images)
3バックの中央で長谷部が存在感
フランクフルトの長谷部は、3バックの中央で公式戦7試合ぶりに先発出場を果たした。今季はチームが4バックを採用したこともあり、出場機会が限られていたが、3バックの採用で『リベロ長谷部』が久々のスタメンを飾った。そのプレーに違和感はなく、鋭い読みとスムーズな連動で守備を引き締めてみせる。積極的に声を出し、仲間を鼓舞する姿が何度も見られた。
ボール奪取から攻撃の一歩目にもなり、攻守の軸としての役割も果たす。フランクフルトはブンデスリーガで今季6戦未勝利だが(5分け1敗)、この日はスタートからアグレッシブで敵地ながら勝利を奪いにいく姿勢を示したが、とくに守備面で安定感をもたらす長谷部の存在は大きかった。
対するアントワープも要所を締めつつ、鋭い速攻からゴールを目指す。攻守の切り替えが早い試合は0-0のまま推移していった。フランクフルトは後半開始からアルディン・フルスティッチに代えて鎌田大地を投入。攻撃のさらなる活性化を図る。一方のアントワープも選手交代をさせながら1点を取りにいった。
長谷部にアクシデントが起こったのは、70分過ぎのことだった。セカンドボールをミヒャエル・フライと空中で競り合った際に足を負傷。交代を余儀なくされたのだ。ただでさえフランクフルトは守備陣に故障者が相次いでおり、長谷部が離脱することになれば非常に痛い。自ら歩いてピッチを出ており、長期離脱の心配はなさそうだが、長谷部がピッチにいることの形を再認識したオリバー・グラスナー監督も軽傷を願うばかりだろう。
77分にはアントワープの三好が交代でピッチに入り、鎌田とマッチアップする場面も見られたが、スコアは動かず、アディショナルタイムに突入する。このままドローかと思われた、90分+1分だった。イェスパー・リンドストロムがドリブルでボックスに進入して倒され、PKを獲得。これをゴンサロ・パシエンシアが冷静に蹴り込み、試合終了間際に1点をもぎ取ったフランクフルトが劇的な形で勝利を手にした。
フランクフルトはこの結果、1勝1分けでグループDの2位につけ、対するアントワープは2連敗で4位に沈むことになった。