上写真=合流間もないながらも冨安健洋はいきなり先発でプレミアリーグデビューを飾った(写真◎Getty Images)
攻守両面でしっかり存在感
今夏の移籍市場の最終日、8月31日にイタリアのボローニャからアーセナルへ移籍することが決まった冨安は、直後に日本代表の活動に参加した。直後にカタール入りし、ワールドカップ・アジア最終予選の中国戦にフル出場。勝利に貢献したあとでイングランドに戻り、チームに合流した。全体練習にしっかり参加できたのは、わずか1日。しかしながらミケル・アルテタ監督は冨安を先発メンバーに加えた。
冨安は右サイドバックとして念願のプレミアデビューを飾ると、攻守にアグレッシブなプレーを披露。エアバトルを制し、相手ボールホルダーにもしっかりアプローチ。攻撃の局面ではサイドに開いてパスを引き出し、機を見て中央に進出してボールの預けどころになった。
前半終了間際には左サイドから攻撃に合わせて前線に進出。味方が相手DFと競り合って舞い上がったボールにタイミングよく飛び込み右足ボレーを放った。相手守備者に押されて体勢が崩れていなければ、と思わせたが、その積極性に対し、スタジアムを埋めるサポーターから拍手が降り注いだ。
62分にエミール・スミス=ロウと交代するまで積極的なプレーを見せた冨安。デビュー戦としては上々の出来だろう。何より準備期間がほとんどない中で先発デビューを果たした事実は、指揮官の信頼の厚さを感じさせる。今度もコンスタントな出場が臨めそうだ。
なお試合は、冨安が交代した直後から攻撃のギアを上げたアーセナルがピエール=エメリク・オーバメヤンのゴールで1-0の勝利。3連敗中だったチームは、ようやく今季リーグ戦初勝利を挙げている。