上写真=熱い思いがにじみ出るのは「声」。橋岡大樹はオーバーエイジとのポジション争いに挑む(写真◎サッカーマガジン)
「何かを発することで、自分の気が引き締まります」
U-24日本代表に加わったオーバーエイジはセンターバックの吉田麻也、右サイドバックの酒井宏樹、ボランチの遠藤航だ。センターバックとサイドバックをこなす橋岡大樹にとっては、まさに自分のポジションに2人が入ってきたことになる。
「オーバーエイジの選手たちがディフェンス寄りで、すごくライバルが増えたなと思いました。でも、それが逆に自分に火がついたというか、絶対に負けられないという気持ちでやっているつもりです。そういった競争に勝っていかなければいけないと思います」
ベルギーに渡ってシント=トロイデンの一員になったのは、1月30日だ。オリンピックのおよそ半年前。
「オリンピックの半年前に海外に行くということで、みんなにオリンピックが終わってからでいいじゃないと言われたんですけど、僕自身、難しい環境に自分の身を置いて、より成長した姿でオリンピックに臨みたいと思っていたので、行くことを決意しました」
その結果、自信を得た。
「やっぱり言葉を話せないところで、プレーで見せないといけなくて、本当に最初からスタメンを取るためにものすごく頑張って、プレーで見せていたつもりではあります。シーズンの途中からということで、まず早く認められないといけないので練習からガツガツいって、スタメンを勝ち取ることができた、そういったところで難しい環境に自分を置いていたことで、やる気が満ちあふれて自分のメンタルは鍛えられたと思っています」
もともとが熱く明るく思い切りプレーするタイプ。そこに、さらに精神面に磨きをかけたなら、鬼に金棒ではないか。
「僕は対人の部分が自分の強みだと思っているので、そこがベルギーで通用しないんじゃなくて、そこは全然できるなという気がしました」
だから、オーバーエイジの選手たちとも渡り合っていく覚悟だ。
「まずは自分の得意な対人だったり、熱いプレーだったりというのは、常に全力でやりたいなと思っています」
その表現の一つが「声」である。練習でも試合でも、橋岡の声はピッチに響き渡る。
「声を出さないより、やっぱりある程度わかる言葉で何かを発することで、自分の気が引き締まりますし、他の選手からこいつ、気持ちが入っているなと見られると思うんです。自分のためでもあるし、もちろんチームのためでもあるので、そこは海外へ行ってもやろう、というのは日本にいるときから思っていました」
熱血漢の大声が響けば響くほど、オリンピックメンバーの座が近づくはずだ。