2019年11月以来の東京五輪世代の代表活動に参加している久保建英は、練習合流2日目となる24日にオンライン取材に応じた。本大会を4カ月後に控えるこのタイミングに、チームがフォーカスすべきは「完成度を高めること」だと語った。

上写真=合宿3日目は海外組も本格合流。フォーメーション練習で久保建英は4-2-3-1のトップ下の位置でプレー(写真提供◎JFA)

「自分たちができることを出す」

 久々に東京五輪世代の代表チームに参加した久保建英は、今回の合宿とアルゼンチンとの2試合についてテーマを問われると、きっぱりと答えた。

「個人的にというよりもチームとしての精度を高める時期に入ってきていると思う。積極的にコミュニケーションをとりながら、チームとしてやりたいサッカーを統一して、完成度を高めるのが一番大事。誰が出ても同じサッカーをするのが、このチームのストロングポイントでもあると思うので、それには意思の共有ができないと始まらない」

 本大会まであと4カ月。チームのベースを作る段階はとうに過ぎている。コンセプトを確認し、精度を高め、総合力を上げていくことが、この3月シリーズのミッション。練習機会が限られる中、今回の合宿でどれだけ濃密な時間を過ごし、チーム力を高めていけるか。久保はコロナ禍で制限がある中でも、可能な限りコミュニケーションを取ることが重要だと指摘した。

 前回、海外組と国内組が融合し、『ベスト』を組んで試合に臨んだのは2019年11月のコロンビア戦になる。久保は先発したが、チームとして機能不全に陥り、0-2で敗れた。「先に相手を失点を許してしまった後に、自分たちの流れに持っていけなかったのが良くなかったかなと、自分では思っていて、自分たちが毎回先制できるわけではないし、別に逃げ切り先行型でもない。相手の方が出だしが良かったときに、しっかりそこに対応できる力をつけていけたらいいかなと思います」と前回の反省を踏まえて語る。

 自身は今季前半、レアル・マドリードからビジャレアルに期限付きで移籍したものの、なかなか出場機会を得られず、今冬にヘタフェへと移った。エルチェ戦でいきなり2ゴールに絡み、存在感を示したが、次第にベンチスタートが増えていくなど、なかなか結果を出せない日々が続いた。しかし、代表合流直前のエルチェ戦で1アシストを記録。「判断材料として、自分が試合に、次も出る資格があるという一つの結果を残せたので気持ちは結構楽です」と状況は好転しつつある。

「正直、思っていたよりもうまくいっていないのが現状。でも、去年も残り10試合くらいで評価が分かれたというか、ラストスパートで自分が良い評価をもらえたことで、今季のスタートにつながってきたと思うので、残り10試合が一番大事だと思う。ちょうど区切りも良いので、ここから今つかんだものを離さずに、ラストをいい感じで終われたら結果オーライなのかなと思う」

「結果オーライ」でシーズンを終え、その後の東京五輪へといい流れを作っていくには、今回の合宿をいい形で終えることも重要かもしれない。

「自分たちの完成度を高める2試合になればいいと思うし、(試合間隔が)あまり空かない中で、1試合目から2試合目に向けて、リカバリーと準備の部分も大事になってくる。とは言っても一番大切なのは1試合1試合、目の前の試合を大事にしないと、どんな相手と戦っても足下をすくわれるので、自分たちが格上、格下とか関係なく、実際に全然分からないし、未知な部分もありながら、自分たちができることを出していければ」

 東京五輪の優勝候補でもあるアルゼンチンとの2試合で、どんな戦いを見せるのか。久保自身がどんなプレーを見せるのか。注目される。


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