上写真=田中碧にとっては、大事な「リスタート」のシリーズでもある(写真◎福地和男)
■2026年10月1日 国際親善試合(観衆65,012人@横浜国際総合競技場)
日本 0−0(5PK4) エクアドル
「自分もオーガナイズしていかないといけない」
田中碧はこのシリーズで3試合目にして、初めて先発。
「悪くなかったかなと思いますけど、でももっと取りきれればチャンスになっただろうし、あとは最後のところに顔を出せればよかった」
それが、ボランチとして79分までプレーした自分への評価だ。納得できることもあったし、同じくらい反省もあった。
特徴が出たのは「差すパス」だろう。25分、中盤から前線の谷村海那の足元にずばりと鋭くつけて、この落としを受けた鈴木唯人のミドルシュートを導いている。ただ、それだけでは足りなかったという感覚だ。
「立ち上がりはなかなか難しかったですけど、だんだん自分たちも慣れてきて。ただ、もう少しチャンスを作ることは必要ですし、相手もクオリティーが高くて最後に押し込んでも守られたり、ニアゾーンを取ってもボールを奪われるシーンが多かった。そこでもう少しやりきって、クリアされたボールも2次攻撃でもっとチャンス作れるかなと思うので、課題はたくさんあるかな」
2次攻撃については、33分にいい例がある。相手のクリアに一番に反応して、中央の谷村へくさびを差し込む。そして、中村敬斗に預けてリターンを受けた谷村の左足シュートにつながった。最初の谷村のポジションがわずかにオフサイドと判定されたが、田中が見せた読みと反応とパスの技術の「3点セット」はアピールに十分だった。
71分には中央から左へスピードのあるパスで展開、中村がカットインして、内側に走った伊藤洋輝へ縦パス、折り返しに鎌田大地が突っ込んだチャンスがある。躊躇せずに力を込めて蹴り出せるパスの距離が長くなっているのは、強度の高い守備とともにプレミアリーグで揉まれた証だろう。
リスタートの時間でもある。ワールドカップのラウンド32、ブラジル戦では自らのボールロストから逆転ゴールを浴び、試合終了の笛を聴くと涙が止まらなかった。あの悔しさを喜びで上書きしなければならない。
その道の最初となるこの4連戦、いずれもブラジルと同じ南米勢のウルグアイ、ベネズエラ、エクアドルとの3試合を終えたところで、きちんとした手応えがあることを口にしている。
「しっかりと負けずに勝ち切る力があるのは、また一つ、違うステージに行っていると思うんです。こういう相手に対して圧倒するのはなかなか難しいですけれど、そういう中でもしっかりと勝ち切るのは大事」
そのための目線が高いところにある。「自分の基準が上がっている」「チームも基準が上がっている」と、その両方を言葉にした。
「新しい手段として自分たちがボールを奪いにいくことはもっと追求していかないといけないし、自分もオーガナイズしていかないといけない」
狙いを定めてボールを奪い切る、というエッセンスを組み込む「第3次森保ジャパン」で、そしてその先の大岩剛次期監督の時代へ、自らがその中心に立つ決意がにじみ出る。
