サッカー日本代表は現地25日(日本時間26日・8時)に北中米ワールドカップのグループステージ第3戦に臨む。相手は、スウェーデン。グループ2位の日本と勝ち点1差の3位につけているヨーロッパの伝統国だ。注目の一戦を前に、改めてスウェーデンがどういうチームなのかを探る。

上写真=スウェーデンが誇る強力な2トップ、ギェケレシュ&イサク(写真◎Getty Images)

オランダ戦で露呈した綻び

 北中米ワールドカップ(W杯)のグループステージ第3戦が6月25日に行われ、日本代表はスウェーデン代表と対戦する。

 同24日現在のFIFAランキングで36位につけているスウェーデンは、ギリギリでW杯出場権を獲得した。欧州予選ではスイスやコソボ、スロベニアと同居したグループの中で1勝もできず最下位に沈んだが、UEFAネーションズリーグの成績で拾われてプレーオフに進出。今年3月のプレーオフではウクライナとポーランドを破って、W杯への切符をつかんだ。

 低迷していた欧州予選の最終盤にはヨン・ダール・トマソン監督を解任し、グレアム・ポッター監督を招へいした。ブライトンで三笘薫を指導し、2010年から2018年にかけてスウェーデンで働いた経験も持つ。イングランド人ながら、スウェーデン語を理解するという点でも適任だっただろう。日本戦に向けた記者会見でも、発言こそ英語だったがスウェーデン語の質問に対し、同時通訳を聞くことなく間髪入れずに答えていた。

 スウェーデン最大の武器はワールドクラスの2トップだ。アーセナルのプレミアリーグ優勝をけん引したヴィクトル・ギェケレシュと、リバプールで遠藤航と同僚のアレクサンダー・イサク。この2人は独力で局面を打開できるだけでなく、高い得点力も有している。

 グループステージ第1戦のチュニジア戦では強力2トップが揃ってゴールを奪い、チームを5-1での大勝に導いた。日本代表もギェケレシュとイサクを強く警戒しており、高さと強さに巧さも併せ持つ彼らをディフェンスラインがどう抑え込むかは試合の重要なポイントになるだろう。

 一方、やや不安定なのはディフェンスラインだ。スウェーデンは3-5-2を基本システムに採用しており、3バックには右からグスタフ・ラガービエルケ、イサーク・ヒエン、ヴィクトル・リンデロフという並びが定着している。

 彼らはお互いの距離がやや遠く、マークが緩くなりがちだ。また、サイドからのGKとDFの間を狙った速いクロスに一瞬足が止まる傾向もあり、オランダ戦ではそうした隙を突かれて似たような形での失点を繰り返した。

 日本代表としてはオランダが示してくれたゴールへの道筋をなぞっていきたい。そのためにはスウェーデンのビルドアップ時の強引さも狙っていきたいところだ。

 ブライトン時代に緻密な攻撃をチームに仕込んでいたポッター監督だが、スウェーデンでは2トップ頼りの崩しに頼っているように見える。ビルドアップの際に3バックがボールを持ってもボランチとの距離が遠く、オランダは孤立したセンターバックに狙いを定めて激しくプレスをかけていた。

 攻守にやや消極的な戦いぶりとなったオランダ戦と同じ失敗は繰り返さないと、彼らは肝に銘じている。ポッター監督は前日記者会見の中で「消極的に試合を終えようという意図はない。選手たちもそう望んでいないし、私たち(スタッフ)もそうしたくない」と強調し、敗戦からの学びを日本代表との戦いに活かしていく考えを示した。

「特に早い時間に失点すると、このレベルで学んでいる最中の比較的若いチームは、心理的に少し影響を受けてしまうこともあると思う。しかし、私たちは必ずそこから学び、成長していく。オランダ戦のようなことは特にトップクラスの相手と戦うときには起こり得る。私たちはそれを教訓にしなければならない。そうならないようにしたいという気持ちや、その状況をどう改善するかについても話し合っている」

 そんなポッター監督の言葉の裏を読むならば、日本代表としては早い時間帯に先制点を奪って試合の主導権を握りたい。先行する展開になれば、時間とともにスウェーデンの消極的な部分を引き出すことができるだろう。

 攻め残り気味の2トップを十分に警戒しながら、その脇を通って前進し、相手の3バックに圧力をかけて厳しい対応を迫り続ける。そして、リードを保った状態で時計の針を進め、同時キックオフのオランダ対チュニジアの動向を見極めながら、より有利な形で決勝トーナメントに進めるようベンチからマネジメントしていくのが理想の展開だ。

 すでに勝ち点3を持っているスウェーデンにも十分にグループステージ突破の可能性がある。それだけにポッター監督も「選手たちは本能として敗北で終わることを望んでいないはずで、私たちは勝利のために努力する」と述べつつ、慎重にゲームを進めていく考えでいる。

「勝つための準備をし、もちろん対戦相手の実力を尊重する。ただ、どんな試合でも相手の状況や試合の流れによっては、時には引き分けや1ポイントで満足しなければならないこともある。また、トーナメントの状況で(勝利の)意味合いも変わってくる。そういった全てを考慮しなければならないと思う。W杯は私にとってまさに初めての経験で、新鮮なことばかりだが、どうであれ私たちは良い結果を目指して集中するのが最も重要だと思っている」

 ラウンド32以降を見据えたお互いの思惑が交差する一戦で、ポッター監督と森保一監督がどのようなマネジメントを披露するか。プレミアリーグという世界最高峰の舞台での経験も豊富なスウェーデン代表指揮官がオランダ戦で一度崩れたチームをいかに立て直し、強みを最大化するような策を打てるのかにも注目したい。

文責◎舩木渉

画像: 前日会見に登壇したポッター監督(写真◎JMPA毛受亮介)

前日会見に登壇したポッター監督(写真◎JMPA毛受亮介)


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