サッカー日本代表は現地31日、ロンドンのウェンブリー・スタジアムでイングランド代表戦に臨み、1−0で勝利を収めた。相手のボールを握られる苦しい時間も続いたが、縦横無尽の動きでピンチの芽を摘み続け、強豪国撃破に貢献したのが、フル出場した佐野海舟だった。

上写真=強さ、読みの的確さ、アプローチの速さが際立っていた佐野海舟(写真◎Getty Images)

視界の外から飛び込んでくるアプローチ

 日本がボールを失い、攻撃から守備に切り替わった直後。試合を見つめていた多くの人が感じたことだろう。テレビや配信なら画面の外側から、現地観戦した人なら視界の外から、背番号24番の選手がボールに向かって勢いよく飛び込んでくる。

 相手に対するアプローチのスピードが世界のトップレベルとの戦いの中でも際立っていた。

「みんなの頑張りがあってだと思いますし、全員で、 一人が抜かれてもしっかりカバーができていたと思います。組織力というのは自分たちの武器だと思うので、そういうところは強みとしてやっていきながら、その中でまだまだ課題はあるし、そこに取り組んでいきたいと思います」

 佐野海舟はあくまでチームとして守備が機能したと強調した。確かにその通りではあるものの、個の能力がピッチで輝く場面も多かった。象徴的だったのは42分のシーン。イングランドに自陣左サイド目がけてロングカウンターを狙われたが、ボールの到達点へ誰よりも早く走り込み、浮き球を巧みに処理してピンチを防いだ。鋭い読みと技術、攻守の切り替えの意識の高さがうかがえた。

 佐野海の働きがこの日の勝利に大きく貢献していたのは、誰が見ても明らかだろう。それでもさらに上を見据えて、本人は課題を口にした。

「前からどんどんはめに来ますし、ボランチのところはほぼマンツーマン気味で来るので、そこで自分がもう少し受けるのか、自分が受けるふりして他の人のスペースを空けるのかは、もっとうまくできたと思います」

 かねてよりボール奪取後のプレーの向上に言及していたが、代表チームの中ではその点でも佐野海の重要性は増している。この日、ボランチコンビを組んだ鎌田大地がバランスを取りつつ、時に後方に下がってビルドアップに加わると、佐野海は受け手としてポジションを整え続けていた。昨年のブラジル戦でも中盤に並んだ2人の補完関係も良い意味でしっかり上書きされていた。

「(きょう)勝ったのはでかいです。ただ、その中でもやっぱり課題は出ているので、それをどんどん修正してやっていくだけかなと思います」

 この結果が2か月後に迫ったW杯にどのようにつながるかを問われると、収穫よりも課題に言及した。目指すのはテストマッチで勝利を収めることではなく、W杯で『最高の景色』を見ること。イングランド戦は佐野海の力と本気を確認した90分だった。

取材◎佐藤景[現地]


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