上写真=11日のトレーニングを取材に応じる小久保玲央ブライアン(写真◎青山知雄)
自分的にもサプライズだった
近いようで遠い道のりだった。パリ五輪代表として世界を経験していた小久保玲央ブライアンだが、今回が初招集。A代表でプレーする機会はなかなか訪れなかった。
「いつでも準備はできていた。その中でこのタイミングで代表に初招集というのはすごく大きいことですし、出場する可能性があるので、そこはしっかり出たタイミングでは100パーセントを出して頑張りたいと思っています」
2019年、18歳のときに柏からベンフィカ(ボルトガル)のUー23チームへ加入。5年半、トップチームでプレーする機会に恵まれなかったが、昨季、シント=トロイデンVV(ベルギー)へ移籍して出場機会を得ると、最後の砦として信頼を勝ち取った。
「去年からやっと自分のプロが始まったと思っています。ベンフィカの5年間は自分の中でも思うようにいかなかったですが、まず昨シーズンの1年でしっかり自分のプレーを見せて、今は落ち着いた、安定したプレーを見せられている。自分の中でもすごく収穫が多いと思っています」
今回の活動は代表常連のGK、鈴木彩艶がケガで、大迫敬介は天皇杯準決勝があるために不在。小久保にとっては存在をアピールする大きなチャンスだ。
「(選出は)自分的にもサプライズな形だったので、あまりここでこうしてという、自分のスケジュールはなかった。(W杯については)急にここに立っている形なので、自分の中ではなかなか考えられないですが、まずは全力を出して、それがいつか先のワールドカップにつながると思っています」
苦労を重ねてきたからこそ、代表選出に気持ちが浮つくようなことはない。招集の報を聞いたときは「泣いて喜んだ」が、今回の活動をただの経験に終わらせることなく、しっかりと先につなげていくつもりだ。
「このタイミングで呼ばれたことはすごくうれしい。でもまずしっかり自分のプレーを見せて、国民のために戦いたいと思っています」
所属クラブでもチームメイトの谷口彰悟からはピッチ内はもちろん「代表の方々はしっかり見ているので、ピッチ外での立ち居振る舞いもしっかりしろ」とアドバイスをもらったという。謙虚に、そして着実に。小久保はヨーロッパで研さんを積んできた力を、いよいよA代表で示す。
