上画像=メキシコ代表戦に臨む日本代表の予想先発メンバー
ボランチは遠藤&佐野、両翼は堂安&三笘
日本代表はアジア予選を終え、来年の北中米ワールドカップに向け、この9月シリーズから強豪国とのテストマッチをスタートさせる。今回のアメリカ遠征では現地6日にオークランドでメキシコ代表、9日にコロンバスでアメリカ代表と対戦する。
ここではメキシコ代表の先発メンバーを探るが、今回の2試合は中2日で開催される。おそらく初戦のメキシコ代表戦と2戦目のアメリカ代表戦とでガラリとメンバーを入れ替えることになるだろう。移動を含めた中2日である点、そしてオークランドとコロンバスの時差が3時間あることを踏まえれば、当然と言える。
さて、メキシコ戦だが、7月のゴールドカップ決勝でアメリカ代表を下しており、FIFAランキングも13位と上回る(アメリカは15位/日本は17位)。また、かつて日本代表の指揮を執ったハビエル・アギーレ監督が率いていることからも、難しい相手になるのは間違いない。日本は『ベストな』陣容で臨むことになるだろう。
スタートは3−4−2−1の陣形になる。前日会見で森保一監督は「アジア予選でやってきたことをぶつけていく」と試合に臨むスタンスについて説明。アジア最終予選で磨いた形が強豪国相手に通用するか否かを試し、現状の収穫と課題を確認したいと話した。
GKは鈴木彩艶で決まりだろう。所属するパルマで好調を維持する守護神は、今や日本の守備の要に成長した。アジア最終予選で深めた守備陣との連係をメキシコ相手にも見せてほしいところだ。
3バックは右から板倉滉、渡辺剛、瀬古歩夢の編成。合宿2日目には全体練習終了後に距離感と配球を確認する3人の姿が見られた。ポゼッション時に持ち運びと積極的な配球を求められる左右のCBには、今回のメンバーの中で代表でのプレー時間の長い2人が務めることになりそうだ。
ダブルボランチは遠藤航と佐野海舟と予想。6月のインドネシア戦で見せたように、アンカー気味に構える遠藤と積極的にスペースに出ていく佐野海という組み合わせは2人の役割分担が明確だ。守田英正と田中碧が不在の今回は、インドネシア戦で好パフォーマンスを披露したこのコンビが先発すると思われる。
両ウイングバックは右が堂安律、左は三笘薫とした。攻守に働ける堂安はチームに欠かせない翼であり、新天地のフランクフルトでも好調を維持。代表にその勢いを持ち込むことが期待される。一方の三笘は合宿2日目まで別メニュー調整だったが、本人は「大丈夫」と明言。東京五輪の3位決定戦でメキシコ相手に決めたスキルフルなゴールを再び見せてほしいところだ。
ただし、4−3−3や4−2−3−1を基本とするメキシコの左サイドのタンデム(縦関係)は気がかりだ。左ウイングのアレクシス・ベガと攻撃的左サイドバックのマテオ・チャベスを抑える必要があり、試合途中から日本側も縦に2枚を並べ、守備対応を意識した形に変更する可能性はある。関根大輝や望月ヘンリー海輝は次戦でのCB起用も考えられるため、その場合は2シャドーの一角に代わって菅原由勢が出場し、4バックの右サイドバックに入る形があり得るのではないか。
2シャドーは右が久保建英、左が南野拓実と予想。最終予選が進むにつれて存在感を増した久保が積極果敢なアタックと堂安や佐野海とポジションを入れ替える頭脳的なプレーで、相手に的を絞らせない攻撃の実現を狙う。左の南野は攻撃面もさることながら守備面の貢献度も高い選手。メキシコのビルドアップに制限をかけるとともに、カウンタープレスの担い手の役割を担うはずだ。
1トップは上田綺世とした。所属するフェイエノールトで3試合4得点と絶好調。全体練習後には連日、鋭く重いシュートを連発していた。まずは上田でスタートし、試合展開次第で前線の構成を変える形があるかもしれない。例えば2トップの採用だ。今回、ストライカーを4人呼んでいるのは、2トップを試す狙いがあるのためではないか。まだ実現したことのない上田&小川のスピアヘッドにも期待したい。
注目の一戦は日本時間7日(日)の午前11時にキックオフされる。ワールドカップの開催地で行われる貴重なテストマッチで日本はどんな戦いを見せるのか、注目だ。
取材・文◎佐藤景(現地)

前日の公式会見に臨んだ森保一監督(写真◎青山知雄)
