韓国で行われている「EAFF E-1選手権」で7月12日、日本は第2戦で中国を2-0で下して連勝した。2年8カ月ぶりにピッチに立った長友佑都はキャプテンマークを巻き、仲間を奮い立たせて挑んだ。その90分で見せた覚悟とは。

上写真=長友佑都が熱い気持ちを表現した(写真◎Getty Images)

■2025年7月12日 E-1選手権(@龍仁)
日本 2-0 中国
得点:(日)細谷真大、望月ヘンリー海輝

「一歩踏み出せた」

 長友佑都がキャプテンマークを巻いて日本代表のピッチに帰ってきた。2022年12月5日、カタール・ワールドカップのラウンド16でクロアチアと戦って以来、2年8カ月ぶりである。

「日の丸を背負って戦うというのは、非常に誇りだし、名誉。カタール・ワールドカップ以来で、試合に出られなくて悔しい思いをしてきましたけど、とにかく出たら魂込めて戦うということだけ決めていたので、少しでも皆さんに伝わったらうれしく思います」

 その思い一筋に、自らと向き合い続けてきた。

「でも、まだまだ高いところを目指しているので、やるべきことはまだまだ多いなというのが率直な感想です」

 ここを勝負と決めていた。

「めちゃめちゃ、緊張感がありました。昨日、アドレナリンが出過ぎて寝付きが悪かった。そのくらい自分は懸けてた。今日ダメなら終わりだな、くらいの気持ちで臨んでいた。まだまだ課題はあるけど、一つ、自分の魂だったり、これまで悔しい思いをしてきた自分の気持ちが届いたなら、それはうれしく思います」

 この日、託されたポジションは「3バックの左」だった。4バックの両サイドバック、3バックの両ウイングバックをこなしてきたが、また新しいトライアルである。

「今後へのメッセージかなと捉えています。ウイングバックではなく3センターの左はそこまで日本でも多くなくて、町田(浩樹)とか伊藤洋樹とか、素晴らしい選手たちはいるんですけど、多くはない。僕がここでしっかりとできることを示せれば、ワールドカップのメンバーに選手として食い込んでいけるということもメッセージとして感じていました」

 この2年8カ月は「苦しすぎた」と隠さず振り返るが、この90分がまた次へのモチベーションになる。

「森保さんを含めてどういう評価になるかは分からないですけど、ただ、長友、まだまだできるな、3センターでもできるなと思ってもらえたら、それは一つ僕の、なんて言うか一歩踏み出せたと、選手として認められるという部分で、一歩踏み出せたと思います」

 プレー面での自己評価は、悪くない。

「対人で負けないとか、寄せる早さとか、空中戦も今日はしっかり勝てていました。そういったところをしっかりと見せたいという気持ちでやっていた」

 地力の差もあって決定的に崩される場面はなかった。慣れないセンターバックでも、その分、経験を生かして周囲を生かすことに徹したという。

「僕もセンターバックで出て、そこまでプレーしたことが多いポジションじゃないけど、若い選手たちを落ち着かせることであったり、積極的にみんなができるように、後ろでサポートしようという気持ちで戦っていました」

 次は連覇がかかった韓国との決戦。どんな役割だろうと、長友がこのチームに魂を植え付けることだけは間違いない。


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