上写真=11日のトレーニングに参加した堂安律(写真◎佐藤景)
センターラインにケガ人も…チームで乗り越えられたら
この日の練習で何より印象的だったのはインドネシアメディアの数の多さだった。関係者に聞いたところではその数、50人以上。試合への注目度の高さがうかがえたが、堂安もその「熱」を敏感に感じ取っていた。
「選手のフォロワーを見てもすごい人数がいて、人口は何人いるんですかね? それはサポーターがサッカー熱を持って国として盛り上げようとしているからだと思うし、ちょっと街を歩いたんですけど、日本の企業とかもめちゃくちゃあったりして、日本との繋がりを感じている国なのかなと思いました」
インドネシア代表は北中米ワールドカップ予選・アジア最終予選で、グループCの5位につける。3分け1敗と勝利はまだないが、サウジアラビアにアウェーで引き分け、オーストラリアともホームで引き分けに持ち込んでいる。とりわけ熱狂的なサポーターに背中を押されて戦うホームゲームには自信を持っており、グループ首位に立つ日本にとっても、15日の試合は簡単なものにならないだろう。堂安も気を引き締めた。
「日本にリスペクトを持ちながらも、(サッカーでは)追い越してやろうという気持ちもあると思う。チャレンジ精神みたいなのに僕らが押し負けずにやる必要がある」
今回のシリーズ、日本はFW上田綺世、DF谷口彰悟をケガで欠いている。ともに最終予選で大きな働きを見せてきた選手だ。
「特にディフェンスに関してはいま、日本代表が特長としているビルドアップのところの生命線だと思うので、かなり痛いというかネガティブに聞こえがちだと思う。もちろんクオリティーの高い選手がケガをするのは痛いけど、森保さんがいつも言っているように、色々な選手がいて、層がある中で戦っていかないといけないし、それも自分たちの使命。最終予選は簡単ではないですし、ここもチームとして乗り越えていけたらと思う」
カットインからゴールを狙うだけではなく、タイミングの良いサイドチェンジで三笘薫の持ち味を引き出したり、守備でも自陣深い位置まで戻って対応したりと、戦況に応じたプレー選択で、堂安は最終予選でもしっかり存在感を示してきた。
インドネシア戦に向けても、練習初日から参加できており、コンディションに不安はない。途中で伊東純也にバトンを渡す形が続いているが、「抑えて試合に臨んだことはないし、90分間できる身体づくりをもう5年、6年やっている。最初から飛ばしても90分間強度が落ちないようにやっているので」と自信をのぞかせた。
日本の10番が右サイドで躍動すれば、チームはより勝利に近づくはずだ。今回も攻守両面で堂安の働きに期待がかかる。