日本代表は15日、北中米ワールドカップ・アジア最終予選のオーストラリア戦に臨み、1−1のドローに終わった。序盤から攻守両面で相手を圧倒していたように見えたが、ミスから先制を許してしまう。オウンゴールの当事者となった谷口彰悟が試合後、失点シーンについて問題点と反省を語った。

上写真=3バックの中央で先発した谷口彰悟。試合後はOGによる失点を反省した(写真◎Getty Images)

あれは僕のポジショニングミス

 前半、日本は攻守両面でいいペースで試合を進めていた。相手を押し込み、サイドに機転を作って攻め立てる。ボールの回収も敵陣で何度も成功。連続攻撃につなげたが、しかしゴールは遠かった。

 迎えた後半も入りは悪くなかった。52分、久保建英のクロスに南野拓実が飛び込み、ヘディングシュート。ゴール左に逸れたが、最初のチャンスを作り出した。

 その直後だった。一瞬のスキが生まれる。町田浩樹のバックパスを鈴木彩艶がクリア。そのボールを跳ね返されると、アバウトなボールをつながれ、日本の左サイドでフリーになっていたミラーにクロスを入れられた。

 自陣ゴールに向かって戻りながら谷口彰悟がクリアする。だが、右足でしっかりとらえられず、ボールは日本のゴールに吸い込まれた。

「僕がゲームを崩してしまったというのが率直な感想。決して難しいボールじゃなかった。本当にチームに申し訳ない。埼スタに来てくれた皆さんに勝ち試合を見せられなかったので、それが悔しいです」

 最終予選で無失点を続けていた日本が、まさかの形で失点。谷口は自分のプレーを悔やんだ。

「あの瞬間はいろんなことを考えていましたけど、もちろんマチ(町田)が触るかなとか、そこら辺でどう対応するか考えた結果、出足が遅れた。シンプルに僕のポジションがもう一歩下がっていて、左足でクリアできていれば問題なかったと思うし、あれは僕のポジショニングミス。もう少しアラートに準備しなければならなかった」

「オウンゴールで難しくしてしまったので、あれなしでじわじわと押し進めていけたら違った展開になっただろうし、相手もかなりサイドのローテーションやマークの受け渡し、ついていくところも徹底しているという印象だったので、その辺りは対策されていると感じました。これからもそういう試合が増えてくるだろうし、また一つ自分たちが次のステージに行くためにやっていかないと簡単にはいかないというのが最終予選だと思います」

 谷口が振り返った通り、オーストラリアは日本を徹底的に研究していた。それでもほとんどチャンスを作らせなかったが、クリアから始まった失点の場面は、相手ボールが再び日本陣内に戻ってきたときの処理がスムーズにいかなかった。相手に先に触れるプレーが続き、いい場所にクロスを入れられてしまった。

 そして日本の攻めに対してもオーストラリアは割り切ったプレーをみせた。
中を徹底的に締めてサイドから来たボールを跳ね返す。その策にはまって、なかなか得点を奪えなかった。

「みんなが『大丈夫、大丈夫』と声をかけてくれましたし、失点した後にここで崩れちゃだめだということを自分自身にも言い聞かせながら奮い立たせていました。そういう意味ではチームメイトにかなり助けられたと思いますし、(中村)敬斗の素晴らしい突破から、結果はオウンゴールでしたけど、追いつくことができてホッとしているし、感謝しています」

 76分に中村の仕掛けからオウンゴールを誘発し、何とか同点に持ち込んだが、全体的にオーストラリアにうまく試合を運ばれたと言っていい。

「これから、こういう試合が増えてくると思う。自分たちが次のステージに行くために新たな戦い方をやっていかないと勝てないのが最終予選。根気強くやるしかない」

 日本はこれで3勝1分け。2位のオーストラリアに勝ち点5ポイント差をつけ、依然としてグループCの首位に立つが、やはり最終予選は簡単ではない。そのことを改めて感じる試合になった。

「(失点)ゼロでいきたいという気持ちが強かったですし、自分のああいうミスでそれを崩してしまったことはかなり悔しいし、つらいですけど、前を向いてやっていくしかない。これからも最終予選が続いていくので、対策されるようなことも増えていくと思うし、それをこじ開けられるようなチームの戦いと個の力をレベルアップさせていかないといけない。コンディションを上げて次のシリーズもしっかり戦いたいです」

 責任感の強い谷口は、そう言って前を向いた。11月、日本はインドネシア、中国とアウェー2連戦に臨む。いま一度、気を引き締め直して戦うことが必要になる。


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