上写真=チームの2点目をアシストした伊東純也とゴールを決めた小川航基(左/写真◎Getty Images)
正確なボールで相手の心を折る一発を導く
後半開始から南野拓実に代わって登場すると、右サイドで躍動した。同サイドはサウジアラビアのストロングポイントであり、前半に何度か突破を許していた。
「結構相手もサイドで崩したりしていたんで、自分が入ったらそこだけやられないようにしようとは思っていて。あとは前にエネルギーをかけられたらいいかなと思ってました」
その考えをピッチで実践。果敢な仕掛けと素早いプレスバックを繰り返した。79分には守田英正からのサイドチェンジを引き出し、カットイン。小川航基のシュートにつなげた。
相手のディフェンダーに当たり、枠に飛ばなかったが、そこで得たCKで伊東の精度の高いキックが光る。ニアで谷口彰悟、遠藤航が相手を押さえた背後のスペース。ボックス中央へエリアにボールを届けると、小川が飛び込み、ヘディングシュート。相手の心を折るゴールが決まった。
「普通に真ん中を狙ってって言われてたんで、ファーストポストを起こしてっていうボールを狙ってただけです」
本人は謙遜したが、そこにしかない場所へ、高さとスピードをピタリと合わせた。このゴールをきっかけにサウジアラビアのサポーターが帰り始めた。勝利を大きく手繰り寄せる一発を導いたわけだ。その力を改めて証明してみせた。
「もちろん自分も最初から出たい気持ちはありますし、普段は90分やれてるので、やれる自信はある。でも、監督が後半から行ってほしいと試合前から言われたんで、納得してっていう感じですかね」
所属するスタッド・ランスでもチームの中心として好調なプレーを見せており、先発でも問題なくプレーできるだろう。ただ、バーレーン戦でも見せたように、後半から登場する伊東も効き目は「大」だ。
中4日で迎える次戦のオーストラリア戦は先発か、それとも途中からか。いずれにせよ、右サイドで勇躍し、チームを勝利に導く働きが期待される。