日本代表は11日、北中米W杯・アジア2次予選の最終節となるシリア戦に臨む。前日に行われた公式会見で森保一監督は「戦術の浸透度を上げていけるように3バックにトライしたい」と話した一方で、6日のミャンマー戦からは大幅にメンバーを変えると明言。前節出番のなかった選手や途中出場の選手たちが先発することになりそうだ。

上図=シリア戦に臨む日本代表の予想フォーメーション

ケガの回復具合が心配されるが久保本人は「大丈夫」

 日本はミャンマー戦と同様に、3−4−2−1でシリア戦に臨む。森保監督は前日会見で「3バックは明日のシリア戦でもチームとして、より共有を図れるように、そして戦術の浸透度を上げていけるようにトライしたいと思います」とコメントした。スタートから採用するか途中からになるかについては明言しなかったが、ここでは3−4−2−1の布陣をベースに予想を進めたい。

 GKは大迫敬介だろう。昨シーズン終了後、手首を手術したため、今年1月のアジアカップには招集されなかった。3月の北朝鮮は選ばれたものの、出場機会はなし。所属するサンフレッチェ広島がホームとしているエディオンピースウイング広島で、昨年11月のミャンマー戦以来、7カ月ぶりに代表のゴールを守ることになる。

 DFは右から冨安健洋、板倉滉、町田浩樹の3バック。広島入りした8日のトレーニングでは全体練習後に、東京五輪世代の3人でロングボールの対応を確認していた。町田は翌9日の取材で「(板倉)コウくんとトミ(冨安)でスリーに入るとしたら、トミが高い位置で僕は下り目でもいい。そこは周りとの関係を見ながら、あとは相手を見ながらバランスを取ってやっていきたい」と具体的なプレーイメージを語り、冨安も前日練習終了後に「その3人がスタメンで出るならというふうに言わせてもらいますけど、お互いの特徴はよくわかっていますし、しっかりコミュニケーションを取りながらやれているんでいい試合にできればいいなと思います」とのコメントを残した。空中戦に強く、攻撃にも積極的に関わっていけるトリオでシリア戦に臨む。

 中盤でボランチコンビを組むのは、遠藤航と田中碧だろう。ともに6日のミャンマー戦に出場しておらず、長距離移動はあったにせよ、フレッシュな状態で先発を務められるはずだ。

 右ウイングバックは堂安律と予想した。ミャンマー戦で前半のみの出場だったのはシリア戦を見据えていたからだろう。堂安が引き続き先発するとすれば、ミャンマー戦と同じく右のシャドーか、所属するフライブルクでプレーしている右のウイングバックになる。本人は「(所属クラブで)ウイングバックが点を取るってイメージや役割を託されていた。このチームでそのポジションを託されれば、おそらく守備的な要員じゃないので、 そこから得点やアシスト狙えるような役割は担っていきたい」と、右ウイングバックでプレーすることについて意欲を示していた。

前田大然が別メニュー。左の翼は相馬か?

 8日の時点で一部、別メニューで調整していた久保建英がすでに全体練習に加わっていると森保監督は前日会見で話しており、そうであれば右シャドーの一番手は久保で間違いない。シャドーには他にも南野拓実や堂安と同じくミャンマー戦で45分間だけ出場した旗手怜央ら候補者がいることからも、堂安が先発で出るとすれば、やはり今回は右のウイングバックとなる可能性は高い。

 その右のウイングバックの候補者には堂安のほかに、相馬勇紀や長友佑都、ミャンマー戦で62分間出場した菅原由勢がいるものの、長友は今回の活動期間で別メニュー調整していた日が多く、無理はさせないのではないか。出番があるとすれば試合の途中からだろう。

 菅原も出るなら今回は途中からと見る。そして相馬は、途中出場したミャンマー戦で務めた右ではなく左のウイングバックで先発する可能性の方が高い。本来の左の先発候補だった前田大然は右足の張りにより、前日は全体練習に加わらず室内で調整を行った。あくまで調整とのことだが、大事を取って出場は限定的なものになりそうだ。

 また、前節、左ウイングバックで先発した中村敬斗は途中、シャドーにポジションを変えながらもフル出場しており、今回はベンチスタートが濃厚。以上の理由から左ウイングバックには、両サイドでプレーできる相馬が先発すると予想した。右は堂安、左は相馬だ。

 2シャドーの左を担うのは、南野で決まりだろう。ミャンマー戦に出場しなかったのは、この試合に先発するためだったはずだ。一方の右については、ケガの状況がはっきりわからないものの、前述の通り久保と予想する。本人は前日練習後に「試合に出る準備はできている」とコメントしており、シリア戦は南野と久保の2シャドーで臨む。右シャドーの久保と右ウイングバックの堂安が時にポジションを入れ替えながら、右サイド攻略する形も期待できそうだ。
 
 1トップは、上田綺世が務める。前回のシリア戦で2ゴールを決めており、今回も複数得点を望みたいところ。その多彩なシュートパターンのうち、どの形を使ってネットを揺らしてみせるのかにも注目したい。

 シリア戦に勝利すれば、日本は全勝で2次予選を終えることになる(うち1試合は不戦勝)。無失点なら、すべてでクリーンシートを達成したことにもなる。最終予選に弾みがつく『圧勝突破』という結果を得られるか。

 注目の試合は今夜(11日)、19時10分にエディオンピースウイング広島でキックオフされる。

取材・文◎佐藤景


This article is a sponsored article by
''.