日本代表は8日、広島入りし、午後に練習を行った。6日のミャンマー戦に出場したメンバーは軽めのメニューをこなし、サブ組と出場時間の短った選手は対人などハードなメニューに取り組んだ。練習後にミャンマー戦で3バックの中央、右センターバックとして先発フル出場した谷口彰悟、橋岡大樹が取材に応じた。

上写真=8日、広島入りし、午後から練習を行った日本代表(写真◎サッカーマガジン)

立ち上がりの問題点を修正

 日本はミャンマー戦で試合開始から3バックを採用した。右センターバックとして先発した橋岡大樹は、5−0で快勝した試合を振り返り、収穫とともに課題を口にした。

「前半は立ち位置がちょっと低かった。後半はそこを改善して、高い位置をとって縦パスも入れられる回数が増えていたのでよかったんですけど、前半からもそこができたらよかった」

 確かに試合の立ち上がりは3バックの中央に入った谷口彰悟と同じ高さでプレーしていた。相手のミャンマーは守備の局面で5−4−1のブロックを組んだが、その1トップに対して日本は3バックで対応する形になり、つまりは「後ろに2人が余っている」状態になってしまった。その結果、相手が4人横一列で構成するMFのラインにギャップを作れず、攻撃陣に効果的な縦パスを通せなかった。

 しかし、試合が進むに連れて左センターバックの伊藤洋輝とともに橋岡も前に出て3バックに角度をつくり、相手のMFを前に引き出して中盤のラインを崩すことに成功する。それに伴って日本の縦パスが通り始め、攻撃はスムーズになった。左右の攻めのバランスに関する質問に答える中で谷口は、こう振り返っている。

「後半は(自分が)真ん中のポジションを取って両脇の選手(左右のCB)に少し高いポジションを取らせることを意識しました。その結果、(伊藤だけではなく)、ハシ(橋岡)も高い位置を取ったりするシーンが出てきたと思います」

 相手との実力差もあり、日本がボールを握り続けたために試合中に修正することはそれほど難しくなかったかもしれない。ただ、谷口は修正できた点も含めて収穫は多かったと語る。

「そこまでビルドアップも含めて困らなかったので、どちらかと言ったらアタッキングサードでの崩し方や、ウイングバックの選手がどの高さでどのくらいの幅を取るのか、そこからボランチやシャドーがどう絡んでいくかのほうがミャンマー戦では課題になったし、発見が多かった。そのあたりは前の選手の感覚が大事になってくると思います。後ろは後ろでリスク管理だとか、3バックの両脇の選手がオーバーラップをかけるシーンも何回かありましたし、それはそれですごい有効になってくる。そういうときに誰を残すのかを話したりはしています」

 日本が重心を前に傾けた後半、カウンターを浴びて谷口が1対1を強いられる場面があった。以降は橋岡や伊藤が下がって2対1の状況を作り、リスクを軽減している。「1回、(カウンターで)入れ替わってしまったところもあったので、相手がもっと強いチームで個人の能力が強かったら、その1つのスキでもやられる」とは、橋岡のコメントだ。「失点しなかったらよし」ではなく、一つ一つのプレーを曖昧にせず、向上に努めていることがうかがえた。

 次戦のシリア戦(11日)も引き続き、日本が3バックを継続して臨むかどうかはわからないが、8日の全体練習後には、冨安健洋、板倉滉、町田浩樹の3人で、ロングボールを跳ね返す練習を行っていた。すでに2次予選突破を決めており、最終予選前の貴重な機会であることを考えれば、ミャンマー戦で先発しなかったこの3人で3バックを組み、シリア戦に臨む可能性は十分にありそうだ。

 今回は、9月に始まる最終予選前、最後の代表活動であり「貴重な機会」(谷口)。チームは着々と戦い方の幅を広げる準備を進めている。


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