日本代表は31日、アジアカップのラウンド・オブ・16(決勝トーナメント1回戦)でバーレーンと対戦する。中6日でしっかり休養して臨む試合となるが、タイトなスケジュールで続く準々決勝以降の試合も見据えた選手起用も考えられそうだ。バーレーン戦の先発を予想する。

上画像=日本代表、バーレーン戦の予想布陣

厳しい日程と累積警告を考慮して…

 日本がラウンド16で勝利を収めた場合、以降は中2日で準々決勝、中3日で準決勝、中2日で決勝という過酷な日程で戦うことになる。理想的なのは、ラウンド16の試合で先発して長い時間プレーした選手は準々決勝をスキップさせ、中6日で調整して準決勝に備える形だろうか。決勝もまたしかりで、ここから先の試合では選手のプレー時間を調整しつつ、頂点に続く道を進んでいくことになる。 

 試合間隔という点で考えると、第2戦のイラク戦に出場し、第3戦に出場しなかった板倉滉らは中6日どころか、仮にバーレーン戦に出場しなければ、中14日で試合に臨むことになる。途中出場も含め、試合勘が鈍らないように配慮する起用が必要だろう。

 また、ラウンド16と準々決勝には累積警告の問題も絡んでくる。現時点でイエローカードを1枚もらっているのは遠藤航、伊東純也、菅原由勢、南野拓実の4人。準々決勝終了後、つまり準決勝前に累積はリセットされるが、バーレーン戦と準々決勝はカードをもらったままの状態で臨まなくてはならない。そのあたりも加味しながらメンバーを選考することになるはずだ。はたして、どんなメンバーでバーレーン戦に臨むのかーー。

 陣形は現在の日本代表の基本である4−2−3−1とした。まずGKだが、鈴木彩艶の先発が濃厚だろう。ポテンシャルに疑いの余地のない若き才能を大きく育てていこうという指揮官の意思を、これまでの試合からも練習からも感じる。3試合で5失点を喫しているものの、ディフェンス陣との連係確認を何度も行っており、課題もその都度、受け止めてきた。次戦も4戦続けてゴールマウスを守ると読む。

 DFは4バックで右から毎熊晟矢、冨安健洋、町田浩樹、中山雄太と予想。日本代表の基準を取り戻したインドネシア戦のセットでラウンド16に臨む。バーレーンの印象を聞かれた冨安は「蹴ってきたり、ちょっとつないで蹴ってきたり、サイドバックが高い位置を取ってサイドハーフが中に入ってロングボールを蹴って、そこのセカンドを拾える陣形を備えていると感じた。まずは簡単に蹴らせないことと、ラインは相手に決められないこと。相手は背が高いんで、そこは大事になってくるかなと思います」と対策を語った。相手の前線には194センチの長身FWユスフがいるが、冨安&町田の2CBであれば、十二分に対抗できるはずだ。

 中盤の2ボランチは遠藤航と守田英正が務める。イラク戦ではセカンドボールの回収がうまくいかなかったが、その反省を生かして中盤でしっかりボールを拾って優位に試合を運びたい。陣形をコンパクトに保ち、ボールにアプローチする距離を縮めようと、チームミーティングで確認済み。ロングボールを自由に蹴らせず、仮に蹴られてもCBが競って、そのこぼれ球をボランチで回収する形がベストだ。ただし、遠藤と守田はともに準々決勝でも連続して出場させたい主軸。試合のすう勢が決まったら、早いタイミングでもどちらかが佐野海舟や旗手怜央と交代することになるかもしれない。

 2列目はさまざまな組み合わせが考えられるものの、ここでもインドネシア戦のセットになると予想した。堂安律、久保建英、中村敬斗の並びだ。右は互いの持ち味を生かし合う縦関係ができつつある堂安と右サイドバックの毎熊のコンビネーションを生かしたい。左も中村と中山の縦関係は深まっている印象を受ける。どちらが内に入るのか、幅を取るのかについて、さらに整理した上でバーレーン戦に臨むことが一つのポイントになる。

 トップ下には久保が入ると予想した。前日会見に出席し、バーレーン戦への意欲をはっきりと示した。トップ下は南野拓実や旗手怜央もプレー可能性があるが、よりフィジカル的にハードな戦いになることが予想される準々決勝で南野をアタマから起用するのではないか。そう考えれば累積もあり、バーレーン戦での長時間起用は避けたい。決勝トーナメントのスタートとなる一戦を内容の伴う勝利で飾り、チームを乗せるのは久保の役目となる。旗手は状況次第だが、久保、あるいは守田に代わって出場し、勝ち切るために力を注ぐことが期待される。

 また、2列目で言えば、ケガを抱えて調整が続いていた三笘薫の状態が上向いており、展開によっては中村に代わって途中出場し、左サイドでプレーするかもしれない。準々決勝以降の戦いを考えるなら、ここでしっかり試運転しておきたいだろう。

 1トップは浅野拓磨と予想した。相手最終ラインのビルドアップを阻み、ロングボールを蹴らせないタスクを担いながらチャンスでしっかりゴールをスコアすることが期待される。上田綺世や細谷真大も候補になるが、準々決勝で対戦可能性のあるイランの最終ラインは背後を取られるケースが多々あり、上田の抜群の動き出しを生かさない手はない。細谷は出場機会があるとすれば、上田と交代する形だろうか。また、前田はここまでの練習の中ではサイドでプレーするケースが多く、この試合で1トップでの起用はないとみる。以上の理由から上田がバーレーン戦、浅野や前田は次戦に温存すると思われる。

 いよいよ、負ければ終わりのノックアウトステージに臨む日本。バーレーンを破り、勢いに乗ることができるか。注目の試合は日本時間31日、20時30分にキックオフされる。

取材・文◎佐藤景


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