10月17日の国際親善試合、チュニジア戦で、伊東純也がまたも結果を残した。1-0で迎えた69分、久保建英の左からの折り返しに合わせて追加点を決めたのだ。これで5試合連続でゴールかアシストをマークしていて、絶好調の日本の攻撃陣を堂々と引っ張っている。

上写真=伊東純也がまたもゴール。アシストした久保建英と喜び合う(写真◎Getty Images)

■2023年10月17日 国際親善試合(@ノエビアスタジアム神戸/観衆26,529人)
日本 2-0 チュニジア
得点:(日)古橋亨梧、伊東純也

「うまく抑えて枠に蹴ろうと」

 またも伊東純也である。69分に勝利をぐっと引き寄せる追加点!

 左サイドのタッチライン際で町田浩樹が縦パスを差し、浅野拓磨が巧みにフリックして左裏のスペースへ久保建英を走らせた。ニアには守田英正が力強く入ってくる。中央では上田綺世がポジションを取る。その2人に呼応するように、逆サイドから相手に見つからないように下がり目のエリアに入ってきたのが、背番号14だった。

 そこに、ドリブルで抜け出した久保からていねいなマイナスのセンタリングが入る。伊東はうまく体を開きながら、右足のインサイドできっちりインパクトさせてゴール右へと送り込んだ。

「タケ(久保)が突破したときにマイナスで受けようと思って、タケがよく見てくれていたので、あとはうまく抑えて枠に蹴ろうと思って、いいところにいってゴールできてよかったと思います」

 森保一監督は「アグレッシブにいくことだけではなく、我慢することもできた」と、90分を通したトータルマネジメントの成功を称えたが、序盤の拮抗した展開に慌てなかった伊東も、それを体現した一人だ。

「前半は右サイドは相手が人数を多くして守ってきたので、ボールを受ける回数が少なかったですけど、でもチャンスを作ってなんとかゴールに絡んでやろうと思っていました」

 序盤に攻撃がややおとなしかったのは、相手が5バックでサイドのスペースをきっちり消してきたから。しかし43分、伊東はボールに触らずとも先制ゴールを「演出」しているのだ。

 自陣から遠藤航、守田英正、久保建英、旗手怜央とテンポよくつないできたときに、伊東は右サイドで完全にフリーになっていた。パスがもらえれば、そのままシュートに持ち込める絶好のポジショニングだ。そして旗手は、まさにそこに送ろうとした。

 ここは相手に足を出されてしまってぶつかってしまい、しかし、こぼれたボールが古橋亨梧のもとに転がって、それを蹴り込んで決まったのだ。そこに伊東がいなければ、生まれなかったかもしれないゴールである。

 6月のペルー戦、9月のドイツ戦とトルコ戦で3試合連続ゴール、4日前のカナダ戦では巧みな浮き球で田中碧のゴールをアシストした。そして、この日のゴールと、気配で導いた陰のアシスト。このスピードスターこそ、日本のテストマッチ6連勝の中心人物なのである。


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