上写真=カナダ戦で2ゴールを記録し、勝利に貢献した田中碧(写真◎JMPA福地和男)
■2023年10月13日 国際親善試合(観衆37,125人/@デンカビッグスワンスタジアム)
日本 4-1 カナダ
得点:(日)田中碧2、オウンゴール、中村敬斗
(カ)ジュニオール・ホイレット
組み合わせを積極的に試す
森保監督は、しっかりテストを遂行した。先発の顔ぶれからもそれがわかる。基本陣形は4−1−4−1で、GKは大迫、DFの4人は左から毎熊、冨安、町田、中山。アンカーに遠藤、2列目は伊東、南野、田中、中村敬、1トップは浅野。CBは初めてコンビを組む冨安&町田。右サイド伊東&毎熊は縦関係を組むのは初めてで、左サイドの中村敬&中山もアンダー世代で10分間共にプレーしたのみで縦関係を組むは初めてだ。
来月からW杯予選、アジアカップと公式戦が続く中で、この試合ではいくつもの初めてをピッチ上に作り出し、コンビネーションの構築に努めたと言える。
先にネットを揺らしたのは日本だった。開始早々の2分、相手を押し込んだ状態からこぼれ球を拾った田中がミドルシュートをねじ込む。シュートが相手に触れてコースが変わり、相手GKは一歩も動けなかった。
直後からしばらくカナダのビルドアップの形を探る時間となり、日本のプレスがはまらないケースもみられたが、前から行く時は日本が1トップ+両ウイングの3人になって相手の3バックにしっかりプレッシャーをかけるように形を変えて対応。以降は、相手にボールを蹴らせては回収するサイクルを作り出した。
前半20分には抜け出したデイビスを飛び出した大迫が倒し、PKを献上することになったが、自らストップに成功してみせる。日本は次第にペースをつかみ、39分に左サイドを攻略した浅野のクロスがオウンゴールにつながり加点。前半終了間際の42分には、浅野が右CBのジョンストンからボールを奪ってカウンターを仕掛け、最後は中村敬がシュート。前回のトルコ戦に続く中村敬のゴールで日本は3−0として後半に折り返した。
後半最初の得点もまた日本だった。49分、南野の浮き球パスを伊東がつなぎ、反応した田中が右足ボレー。自身、この日2点目となるゴールで、相手を突き放した。
圧倒的なリードを奪った日本だったが、57分には相手のファウルを受けた中村敬が左足を負傷し、担架で運ばれて交代した。今回は前田大然、三笘薫がそれぞれ負傷と体調不調で招集外となっており、サイドアタッカーがただでさえ不足気味。追加で招集された奥抜侃志も体調不良によりいまだチームに合流できておらず、中村敬の状態が心配される。
中村敬に代わって旗手が入ったタイミングで、日本はシステムを4−2−3−1に変更。旗手は左サイドハーフを務め、南野がトップ下、左インサイドハーフだった田中が一列降りて、遠藤に代わった伊藤敦と2ボランチを形成した。
その後も日本はペースを握り、シュートチャンスを生み出したが、5点目を掴むことはできず。それでも川辺や古橋を途中出場させ、さらに南野に代わって橋岡を投入した84分以降は毎熊が右サイドハーフ、旗手がトップ下、左サイドハーフに伊東がまわってプレー。ベンチには久保建英や上田綺世らもいたが、17日のチュニジア戦に出場するメンバーも睨みながら選手を起用しつつ、中村が負傷交代した不測の事態に対応した。
悔やまれるのは89分の失点場面。日本の右サイド深くまで持ち込まれてクロスを許すと、GK大迫が弾いたところをホイレットに詰められてしまった。急造で右サイドを形成したため、毎熊と橋岡らが右サイドで誰が誰をつかまえるか判然とせず、失点につながった。
連係を深めるという点で文字通りのテストマッチとして価値があった一方で、まだまだその連係を深める必要も感じられた一戦になったと言える。
▼出場メンバー
・日本代表◎GK大迫敬介、DF毎熊晟矢、冨安健洋(46分:谷口彰悟)、町田浩樹、中山雄太、MF遠藤航(61分:伊藤敦樹)、伊東純也、南野拓実(83分:橋岡大樹)、田中碧(72分:川辺駿)、中村敬斗(61分:旗手怜央)、FW浅野拓磨(72分:古橋亨梧)