日本代表のDF冨安健洋が現地5日、欧州遠征2日目のトレーニング終了後に取材に応じた。3月からスタートした新体制の代表チームの活動には今回が初参加。新しいサイクルの中にあるチームでどんな役割を担っていくのか、そして9日のドイツ戦に向けて自身の考えを語った。

上写真=欧州遠征、2日目のトレーニング中の冨安健洋(写真◎サッカーマガジン)

ゆくゆくは僕と滉くんでやらないといけない

 冨安はケガのために、3月と6月の代表活動には不参加だった。したがって第2次森保体制になってからは今回が初めての代表活動になる。とはいえ、離れている間も代表チームの状況把握には努めていた。

「試合を見て、サイドバックが中に入ることだったり、そういったところのトライをしたっていうのは、他の選手と連絡を取って聞いた部分もあります。でも、入ってみないとわからないことの方が多いんで、それはやっぱり外から見てるものと中に入って実際やるものでは全く違う。ミーティングだったり、練習の中で言われたものを感じて、表現できればいいなと思っています」

 名波浩コーチ、前田遼一コーチが加わり、新チームはカタールW杯で出た課題を踏まえて相手のプレッシャーを剥がして前進すべく、ビルドアップの向上を図っている。その一つがビルドアップ時のサイドバックの関わり方の変化だが、CBで出場するにせよ、サイドバックでプレーするにせよ、冨安もその変化にスムーズに対応すべく、予習をしていた。

「やっぱりサッカーも変わるんで、自分のチームでやってるものとは。そこの整理もしつつ、あと個人的に僕の中での整理というか、何ができるのかっていうところの整理も含めて、練習からトライしていきたいと思ってます」

 カタール・ワールドカップも万全な状態で臨めず、負傷を抱えながらプレーすることになった。そして大会後も、苦しい時間を過ごすことになった。冨安自身、「難しい1年でしたし、1年、1シーズン、ワールドカップも、アーセナルの方も含めて多分、一番、今までのサッカー人生でタフな1年であったのは間違いない」と振り返る。W杯で本来の自分を出し切ることができず、春先には右ヒザにメスを入れた。それに伴い、昨シーズンの終盤はプレーできなかった。

 復帰を果たしたのは、新シーズンに入ってから。約5ヶ月ぶりのことだった。ただ今は「状態はいいと思っていて、むしろケガする前よりもやってる感覚っていうのは間違いなくいいですし、今が100パーセントではないんで、これからもより良くしていけるキャパシティっていうのはある。どんどんよくしていきながら、それはサッカーだけじゃなくて、体のフィジカル面も含めてより良くなっていくと思っています」と自分自身に期待できるほど順調に回復している。

 注目されるのは、板倉滉とのCBコンビが実現するかどうかだ。これまでの代表活動ではどちらかがケガしているタイミングが多く、A代表では2CBとしてほとんどプレーできていない。前日、板倉も冨安とコンビを組むことについて「非常に楽しみ」と語っていた。

 その点について問われた冨安は「前々からゆくゆくは僕と滉くんでやらないといけないという話はお互いしていました。その中でなかなか僕のケガで組むタイミングがなかったんで、あれなんすけど、いい意味で遠慮せず高いリクエストをお互いし合いながら、それができると思っていますし、妥協せずにお互い要求し合ってやることができれば、もう一段階、もう二段階、上のレベルに、それはディフェンスだけじゃなく、チーム全体に上がれると思う」と意欲を語っている。

 カタールW杯以来のドイツ戦に向けては、「W杯では勝ちましたけど、主導的でないやり方での勝利でした。よりリアリスティックになったというか。なので、(今回は)トライすべき場だと思いますし、主導権を握りながら、ゲームを進めることができればいいなと思っています。それと今回、土曜日試合で、いつもよりも準備期間が長いんで、練習中にすり合わせがよりできると思いますし、より良い準備、最大限の準備をして、しっかり勝ちにもこだわって、あとは主導権を握って勝つことができれば、いいものになるかなと思います」と、受け身にならずにプレーしたいと話した。

 ドイツ戦は現地9日、ドイツのヴォルフスブルクで行われる。


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