上写真=2日目のトレーニングで汗を流す守田英正(写真◎サッカーマガジン)
欧州の中堅国以上に来ているという自覚
「悔しいですね」
カタールW杯のドイツ戦を左ふくらはぎの違和感のため、ベンチから見つめることになった守田が試合翌日に口にした本音だった。
合流後、別メニュー調整を続けていたが、守田は残念ながら間に合わなかった。予選突破の立役者の一人であり、当然ながら万全な状態ならピッチに立っていただろう。世界を驚かせる大逆転劇を演じたチームは誇らしかったが、いち選手としては「悔しさ」も感じていた。
あれから10カ月が経ち、状況は違うもの、日本を自国に招き、リベンジの機会を作ったドイツ代表と、つまりはリベンジする気満々の本気のドイツ代表と対戦することになった。守田は再戦を前に、どんな思いを抱いているのか。
「自分が出ていない試合でチームが勝つというのは、もちろんうれしいことだけではないので。選手としては悔しさを持っていないといけないと思いますし、本大会の初戦ということで、すごいグループの中で勝ち進めたことはすごい素晴らしいことだったんですけど、僕個人的には何もできなかったっていう無力の気持ちの方が強かった。今回、もう1回こういう機会がある。しっかり自分の力を見せたいですし、アピールしたいですし。出るかわかんないですけど、自分のそのときの立場に応じてやれることやりたいなと思います」
所属するスポルティングでは、守備的な役割から徐々に攻撃的な役割に変わっていった。守田によれば「最初は6番っぽく守備的な役割を与えられていたんですけど、自分のキャラクターだったり、チームにそれをどう還元するかっていう部分で、前向きの方が僕もそうですし、チームもそっちの方がいいだろうっていうことで、今はいい方向にチームも進んでいると思います」という。守田の役割の変化がチームに好影響を与えている。
代表でも、これまでは守備的な役割を求められることが多かったが「ある程度、相方(中盤でコンビを組む選手)次第では前に行っていいんじゃないかなというか、攻撃でもっとアクセントを加えないといけないなというのは、僕の中でも思っている部分。そこをごっちゃにしちゃいけないんですけど、うまく普段やっている自分っていうのを代表でも還元したい」と話す。
「ある程度、自分たちはもうヨーロッパの中堅国以上の部分に来ていると思っていいと思っているし、それだけの自覚だったり覚悟みたいなものは、ヨーロッパで戦っている選手を中心に各々が持っていると思う」
「上からになってはいけない」とした上で、守田はきっぱり言った。今回のドイツ戦はチームとして、そして守田個人としても、その自覚と覚悟を示す試合になる。
取材◎佐藤 景