日本代表が現地4日、ドイツで合宿をスタートさせた。初日から26人全員が集合。ただし、前日に試合があった選手と日本から移動してきた選手たちは軽いメニューをこなし、その他の選手はしっかり汗を流した。練習後に三笘が取材に応じた。

上写真=初日のトレーニングに臨んだ三笘薫(写真◎サッカーマガジン)

なるべく高い位置で握れるところを

 ブライトンではシーズン開幕から文字通り、チームをけん引している。4試合を終えて1ゴール3アシスト。その記録は素晴らしいものだ。そして強調しておきたいのが、その数字以上にチームにおいて貢献度が高い点だ。

 三笘がひとたびボールを持てば、相手は複数人で対応しなくてはならず、その結果、他の選手のがフリーになるケースが頻発する。代表合流直前のニューカッスル戦ではエバン・ファーガソンのハットトリック達成となったゴールをアシストしただけではなく、先制点も三笘のシュートの流れから生まれている。三笘効果が表れた得点でもあった。

 日本代表でも、所属チーム同様に今や欠かせない存在となった。森保一監督は現在の代表チームの強みが両翼にあるとたびたび口にしているが、三笘と伊東純也という、世界的に見ても突破に優れ、しかもタイプの異なるウイングを2人そろえているチームはそうはない。その上、久保建英や堂安律もおり、まさに日本の翼はまさに多士済々だ。

 カタールW杯のドイツ戦の時点でも、すでに三笘はチームの強みとして機能していた。後半途中から出場すると左ウイングバックを務め、持ち前の推進力を発揮して逆転勝利の原動力なった。ただし、そのプレーエリアがもっと前だったら、さらにその力が発揮されたと見る向きも多い。

 ドイツとの力関係の中で当時はその起用法が最善ではあっただろう。一方で三笘の『最高』をぶつけることができなかったのも確かだった。

「前回は40分くらいしか出てないんで守備的な位置でプレーしましたけど、今回はどこでプレーするか分からないですが、攻撃的に自分の良さを出せればいいかなと思ってます」

 本人も攻撃的な部分をより発揮し、強いドイツにぶつかりたいとの思いを持っている。むろん、依然として簡単な相手ではないこともわかった上で。

「チームも選手全員、自信はあると思いますし、ボール持てる選手が多いので、なるべく高い位置でボールを握れるようなところは見せたい。けど、やっぱり相手があってのこと。相手がどういうふうに出てくるかを見ながらプレーしないといけないと思います」

 理想は理想として、ピッチ上では現実との折り合いをつけながら勝ち筋を探っていくことになる。三笘は所属チームと代表の違いについて「ブライトンみたいに前で高い位置でキープできるようなビルドアップをするっていうのはなかなか難しいので、そこでの立ち位置も変わってきますし、そのプレーの範囲でプレー内容も変わってくる。そこは頭を使わないといけない」とも話した。代表とクラブは別。そのことを踏まえた上で、最高を出し切る準備を進めている。

 ドイツ戦について、三笘の見立てはこうだ。

「ボールを握って圧倒できればいいですけど、そういう試合にもならないと思うんで、メリハリをつけながら、自分たちの狙いを持って、それが見せれるような試合にできればいい」

 日本はどんな狙いを持ち、どうプレーするのか。いずれにしろ、それを実行するためには、三笘の存在が欠かせない。

取材◎佐藤 景


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