上写真=先制ゴールを挙げた三笘薫。試合の入りは良かったが…(写真◎JMPA毛受亮介)
■2023年3月28日 キリンチャレンジカップ(観衆20,005人/@ヨドコウ桜)
日本 1-2 コロンビア
得点:(日)三笘薫
(コ)ジョン・ハデル・デュラン、ラファエル・サントス・ボレ
強度が足らず、試合をコントロールできず
森保監督は24日のウルグアイ戦のメンバーから4人を変更してコロンビア戦に臨んだ。フォーメーションは同じ4−2−3−1ながら1トップが浅野拓磨から町田へ、トップ下は鎌田から西村へ代わった。さらに右サイドハーフが堂安から伊東に変更となり、左サイドバックは伊藤に代わって佳史扶が務めた。
遠藤が外れたドイスボランチには、前回トップ下の鎌田が入り、守田とコンビを結成。2CBも瀬古が外れて、前回左サイドバックの伊藤が板倉とペアを組んだ。ウルグアイ戦のメンバーが中心ながらも、配置変更と先発4人の変更で、日本は別のチームになったと感じさせる構成でこの試合に臨んだ。
先制したのは日本だ。開始3分。菅原のフィードを町田が粘って収め、西村とのパス交換でボックス右に進入。後方に下げたところをフォローに来た守田がダイレクトでクロスに変え、逆サイドから絞っていた三笘がジャンプ一番。打点の高いヘッドでネットを揺らした。
幸先の良いスタートを切った日本だが、その後はいい形が作れなくなっていく。相手のプレッシャーをそれほど受けていないものの、マンツーマン気味に守る相手を前にボールを動かせず、チームとして前進できない状況に陥った。
すると33分、日本の流れが悪い中で失点してしまう。相手GKのフィードを板倉がヘディングで返したものの、そのボールを拾われ、すぐさま縦パスを入れられる。釣り出された格好になってしまった板倉の背後をマチャドに運ばれ、最後はバイタルエリアに進入したデュランに決められた。
1−1で折り返した後半、日本は町野に代えて上田、鎌田に代えて遠藤を投入。バランスを整え、主導権を握りにかかるがテンポは上がらず、相手が4−3−3に変更すると劣勢となっていった。61分には押し込まれた状態で連続攻撃を受け、ボレに鮮やかなオーバーヘッドを許し、勝ち越されてしまった。
その後、日本は佳史扶の負傷交代というアクシデントもあったが、久保や浅野を投入し、中盤をダイアモンドにする4−4−2に陣形を変えてゴールを目指した。66分には守田の左クロスを上田がヘッド。ドンピシャのタイミングだったが、相手のGKの好守に阻まれ、同点とできず。ポゼッションはほぼ互角ながら日本は低い位置でパスをつなぐケースが多く、シュート数も相手に上回られて、日本が敗れるべくして敗れたとの印象が残る試合になった。
ビルドアップ面で新しいチャレンジをする中、ウルグアイ戦で出た課題を修正したいと指揮官は話していたが、その課題に取り組む以前に、チームの根幹であるはずの球際の強さが失われ、たびたび劣勢になる場面が散見したことは痛かった。
「勝利を目指して選手たちはいい準備してくれたましたし、先制できたので非常に残念でした。たくさんの方が応援してくれた中で皆さんが喜んでいただける結果を出せなくて残念です。(これから目指すところは?Iまずはどんな形でも勝利するということ、我々がコントロールして試合を進められるようにチームづくりをしていきたいと思います」
森保監督は今後も変わらず、主導権を握り、試合をコントロールできるチームを目指すとコメント。進む方向は間違ってはいないだろう。ただ、そのための方法や進め方にについては再考すべき点もあるかもしれない。むろん、新たな選手を起用したこともあるが、いい守備からいい攻撃につなげるための、「いい守備」の部分が揺らいでしまっては、トライもままならないことがこの試合では示された。3月シリーズの2試合を経て得た課題にどう取り組んでいくか。
日本代表の次回の活動は、今年6月に予定されている。
・日本代表メンバー:GKシュミット・ダニエル、DF菅原由勢、板倉滉、伊藤洋輝、バングーナガンデ佳史扶(59分:瀬古歩夢)、MF守田英正(78分:浅野拓磨)、鎌田大地(46分:遠藤航)、伊東純也、西村拓真(59分:西村拓真)、三笘薫(54分:堂安律)、FW町野修斗(46分:上田綺世)
・コロンビア代表メンバー:GKカミロ・バルガス、DFダニエル・ムニョス、ダビンソン・サンチェス、ジョン・ルクミ、デイベル・マチャド、MFマテウス・ウリベ、ケビン・カスターニョ、ジョン・ハデル・デュラン(82分:カルロス・クエスタ)、ホルヘ・カラスカル(89分:ディラン・ボレロ)、ジョン・アリアス(73分:ディエゴ・バロジェス)、FWラファエル・サントス・ボレ(73分:ラダメル・ファルカオ)