上写真=開始3分、三笘薫がヘッドで決めてあっという間に先制!(写真◎Getty Images)
■2023年3月28日 キリンチャレンジカップ(観衆20,005人/@ヨドコウ桜スタジアム)
日本 1-2 コロンビア
得点:(日)三笘薫
(コ)ジョン・ハデル・ドゥラン、ラファエル・サントス・ボレ
「実力をつけて帰ってきたい」
三笘薫がいきなりの豪快フィニッシュだ。
開始わずか3分、町野修斗が右深くから戻すと、サポートした守田英正がファーへクロス、これを三笘がジャンプ一番、競り合ったダニエル・ムニョスの上からヘッドで力強く叩いてゴール左へと送り込んだ。あっという間の先制ゴールだ。
「守田選手から素晴らしいボールが来たので、合わせるだけでした」
確かにいいボールだった。だが、合わせる「だけ」ではなかった。きれいなフォームで中に舞い上がると、上半身を力強くしなるようにしてから振り下ろす身のこなしの美しいこと。ブライトンでもヘディングでゴールやアシストを決めているから、単なるドリブラーではなく、もうれっきとした「ストライカー」と言っていいだろう。
カタール・ワールドカップではスペイン戦で田中碧の逆転ゴールを導いた「三笘の1ミリ」で一躍、日本全国でスター性を飛躍的に高めた。しかし、すべて試合途中からのプレー。
大会後には所属のブライトン(イングランド・プレミアリーグ)で、左サイドハーフとして大活躍。ワールドカップ後の公式戦では7ゴール5アシストで、彼の地でも時の人になっている。
だからこの3月シリーズは、成長した姿をそのままぶつけて、「日本代表のリーダー」としてのステータスを高めるステップボードにする意気込みだった。そして周囲も、新しく生まれ変わる日本代表の象徴として遠慮なく期待を寄せた。
初戦のウルグアイ戦では先発し、89分までプレーした。しかし、ゴールには絡めなかった。コロンビア戦でも先発。するといきなりのゴールでスタジアムを沸かせた。ただ、それ以外は派手めなプレーはお預け。54分と早い時間に交代して、堂安律に後を譲った。しかも、33分に同点とされ、ピッチを離れた後の61分には逆転弾を浴びて、まさかの黒星。
「いい時間に先制してからの試合の進め方に課題があった」
笑顔はない。
課題に挙げたのはバトルの局面。「ボールの回し方だったり配置のところは、味方をしっかりと見ながらやろうとしていましたが、一つの局面で球際のところでまた負けてしまってるところが多かった」と、ナイーブさを敗因の一つに上げた。
「今日のような試合をもうしないように、(所属チームに)帰って実力をつけて帰ってきたい」
次は6月シリーズ。今度こそ、勝利につながるゴールを!