上写真=雨の国立競技場で前日練習に臨んだ遠藤航(写真◎サッカーマガジン)
中心選手としての自覚を持つようになりました
試合前日の表情はベテランの風格を漂わせ、余裕さえ感じさせた。遠藤は今年2月で30歳を迎え、フィールドプレーヤーでは伊東純也(スタッド・ランス=フランス)と並んで最年長。2026年ワールドカップに向けての初陣を控えても、気負う様子はまったくない。ただ、4年前は違ったようだ。
「前回(の初陣)は長谷部(誠)さんが引退したので、ポジションを取るために結果を残してやるんだと思っていましたね」
代表での立場はすっかり変わった。余人を持って代えがたいボランチとなり、チームの心臓と言ってもいい。森保監督からも全幅の信頼を寄せられている。
「キャプテンの資質がある。背中で素晴らしいプレーを見せている」
それでも、本人は奢ることはない。現状に甘んじることはなく、危機感を口にする。
「いまは追われる立場。自分のポジションを奪いにくる選手たちが代表にどんどん入ってきています。僕もさらに成長していかないといけない」
ただ、考えるのは自分のことばかりではない。
「チームとして、どのように成長していけばいいのかも考えています。中心選手としての自覚を持つようになりました」
ウルグアイ戦ではゲームキャプテンを務めるが、試合で腕章を巻くことについては気に留めていなかった。
「キャプテンであっても、なくても、僕のやるべきことは変わらない。自分らしさを出して、チームに貢献したい。正式なキャプテンは、まだ決めないと聞いています。キャプテンはなりたいからなるものではなく、監督、周囲の選手から信頼されている人が務めるべきだと思っています」
言葉ではなく、ピッチでリーダーの姿を示すつもりだ。
取材◎杉園昌之