上写真=エクアドル戦で好プレーを連発したシュミット・ダニエルが自信の選出だ(写真◎Getty Images)
「一番いいコンディションでいることが大事」
「呼ばれるかどうか、森保さんの間(ま)で緊張しましたけど、無事に呼ばれてホッとしました。やっとここから始まるという気持ちになりました」
森保一監督はメンバーを発表するときに、はっきり、ゆっくり名前をかみ締めるように口にして、次の選手を読み上げるまでにじっくりと間を取った。川島永嗣……権田修一……そして自分。
とはいえ、シュミット・ダニエルは選出される自信はあったという。
「そこまで不安は感じていませんでした。選ばれてほしいという思いはあったけれど、選ばれないという気持ちはありませんでした」
ワールドカップ最終予選では権田修一が10試合中、9試合に出場し、1試合は川島永嗣。競争は激しい。だが、9月のテストマッチ、エクアドル戦ではPKストップをはじめとしてハイパフォーマンスを見せ、存在感を十分にアピールする90分になった。
「ほかに選ばれたキーパー2人と比べるのではなくて、それぞれが一番いいコンディションでカタールに行くことが、まずチームのためになることです。ほかのキーパーと競争するというよりは、自分が一番いいコンディションでいることが大事で、その上で誰を使うかは監督が決めることです。試合に出るためにはどうしたらいいかと考えるのはナンセンスで、考えないようにしています」
まずはキーパーチームとしての「共闘」の意識を高めていく。
2019年夏にヨーロッパに渡り、ベルギーのシントトロイデンで技を磨いてきた。
「割り切る力がついたと思います。ミスが起きたときに引きずっていたらキーパーは難しい。割り切って次に切り替えることは、ベルギーに来て、いろんな外国の選手のチームメートを見て学びました」
心の成長で、ワールドカップ行きをつかんだ。
「キーパーにとっては大事なことです。ミスが重くのしかかるポジションなので、どう向き合うかは大切だと思います」
手に入れた強い心とともに、カタールに向かう。