上写真=鎌田大地が威風堂々。インサイドハーフとして攻撃を司った(写真◎Getty Images)
■2022年6月2日 キリンチャレンジカップ2022(@札幌ドーム/観衆24,511人)
日本 4-1 パラグアイ
得点者:(日)浅野拓磨、鎌田大地、三笘薫、田中碧
(パ)デルリス・ゴンサレス
「欲を言えばもっと取れるように」
鎌田大地、ここにあり。威風堂々とその存在感を示した90分だった。
右サイドで堂安律が左足にボールを置くと、ゴール前へダッシュ、インスイングの鋭いクロスをGKの鼻先でヘッドでコースを変えると、GKに当たってゴールイン。42分、鎌田大地が追加点を決めて勝利への力強い歩みを進めた。2021年5月のワールドカップ2次予選ミャンマー戦以来、自身5点目だ。
「人数を前にかけられていたので、インサイドハーフがあそこに入っていかないとダメだと思いますし、これまで4-3-3のチームと対戦してあそこに入るイメージはあったので、自分も狙っていました」
与えられたポジションは、4-3-3システムの左インサイドハーフ。キックオフから日本の好リズムの中心になった。11分にいきなり、左ウイングの三笘薫が突破して折り返したボールに左足を鋭く振って、左ポスト直撃の強烈なシュートを見舞った。
後半に入っても落ち着いてボールをさばき、攻撃の強弱をコントロール。51分には右で前田大然をポストに使ったワンツーでシュートまで持ち込むと、鮮やかだったのが69分。堂安が左から中に入ると右のニアゾーンへ走り込んでスルーパスを受け、GKのファウルを誘ってPKを獲得したのだ。82分にも板倉滉の横パスを受けてからドリブルで狭いペナルティーエリア内をスルスルとすり抜けて右足アウトでシュートを放っている。
85分には締めくくり。前田が左でプレスバックして引っ掛けたボールを拾い、中央の田中へ。強烈なミドルシュートが決まって、鎌田にアシストがついた。ボールを持てばアイディアたっぷりのパスを繰り出し、スペースを見つけたタイミングのいいランでチャンスを生み出した。存在感が際立つフル出場だった。
「いつもと違うメンバーでやって、自分がいいプレーをしなければいけないけれど、チームが勝たないとダメだと思っていました。負けるといつものスタートのメンバーの方がいいということになるので、勝つことが大事で、そこにゴールが加わればいいと思っていました。最初にゴールできて気持ち的に楽になったし、ただ後半チャンスがあったので、欲を言えばもっと取れるようになりたい」
ドイツ1部リーグのフランクフルトで中心選手として活躍し、ヨーロッパリーグ優勝を果たしたばかり。いま充実のときにある。4-3-3のインサイドハーフはワールドカップ最終予選では守田英正、田中碧が大活躍し、この日は原口と鎌田。「僕らが出て攻撃力が上がらなかったら意味がない。お互いに長所あるので当然のことだし、今日は普通のこと」と涼しい顔。ハイレベルの戦いは、まだまだ続いていく。