上写真=連日のトレーニングでキレのある動きを見せている堂安律(写真◎山口高明)
監督の考えを伝えてくれました
堂安はW杯アジア最終予選で、本大会行きがかかった3月シリーズに招集されなかった。今年2月以来の代表活動。招集外となった事実は、それまで常連組だったその立場が、決して安泰ではないということを示していた。
「もちろん悔しかった。代表に入りたいという気持ちもあってサッカーを始めたので、それで入れなかったので悔しかったですけど、色んなところで言っていますが、感謝しているというか、落選したことによって今の自分がいると思うので、今は気にしていません」
昨シーズン、PSVでは公式戦39試合で11得点3アシスト。オランダの名門クラブで確かな存在感を示した。落選した際にSNS上で「逆境大好き人間頑張りまーす!」と発信していたが、悔しさをバネにピッチ上で力を示し、成績を残して6月シリーズに戻ってきた。落選後に森保一監督とも話し合う機会があり、「監督が思っていることも伝えてくれましたし、良い時間だったと思います」と、すべてがいい経験になったと振り返った。
11月に開催されるカタールW杯は過去に例のない変則的な大会で、欧州リーグの中断直後に開幕する。Jリーグ勢にとってシーズン終了直後の開催。過去の大会のような準備期間はほとんどなく、集合してすぐに試合を迎えることになる。そう考えれば、9月の代表活動は直前合宿のような位置づけとなり、よりメンバーを絞り込んだ中で活動することが予想される。つまり今回の活動は、選手にとって本大会前に直接アピールする最後の機会と見ることもできる。堂安にとっても重要な機会だろう。
「とくにこのプレーを見せたいというのはないです。活動を終えるときに充実していたなと思えるようにしたい」
その言葉から気負いはまったく感じられなかった。今回の活動についてもサバイバルの意識ではなく、あくまで自分自身をどう表現できるかにフォーカスしている。
「すごく楽しみでワクワクしています」
PSVで主軸を担い、代表落選を経てさらにたくましくなった堂安律は、心身ともに充実した状態で6月シリーズに臨んでいる。